研究課題/領域番号 |
60570661
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
吉井 与志彦 筑大, 臨床医学系, 講師 (50110507)
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研究分担者 |
中川 邦夫 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (40092077)
楠見 武徳 筑波大学, 化学系, 講師 (70015882)
小嶋 誠治 筑波大学, 物理系, 講師 (90134204)
井上 幸信 筑波大学, 化学系, 助教授 (00015570)
石坂 昭三 筑波大学, 生物系, 教授 (10062499)
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キーワード | 脳腫瘍 / Argon-Dye Laser / Photofrin【I】 / 電磁波 / 内照射法 |
研究概要 |
(目的)外部エネルギーとポルフィリン系(PD)物質との至適な相互作用の条件を知る事によって難治性脳腫瘍を診療する。(方法)前年度の結果をふまえ、PD物質としてphotfrin【I】 レーザーはArgon-Dye(630nm)、電磁波(2,45GH2)を用いた。Photofrin【I】を10mg/kgを照射2日前に尾静脈注入し、実験脳腫瘍内にfiber tipを脳表から約3mm深さに刺入し、25〜100mW,2.5〜10分間の照射条件でPDT内照射法を行った。局所加温法は電磁波のprobeを脳表面に接触して行い、ファントム実験で12W、5分間の接触照射では44℃の加温範囲はprobeを中心に直径3〜4mmに及ぶ事を確認し、その照射条件にてPDT内射后に併用した。1群3【III】のラットを使用した。照射実験は移植后8日目にphtofrin【I】を静注した実験(【I】)と移植后14日目に静注した実験(【II】)について行い、いづれも静注后2日目に照射を行った。照射后5日目にsacrifyして組織学的検索を行った。(結果)実験(【I】)Dyeレーザーで50mw5分間の照射条件に加えて電磁波を12W、5分間接触照射する事により、Dyeレーザーの単独内照射法の効果に比べて81〜87%の抗腫瘍効果の増強が得られた。しかし脳傷害の範囲も照射野の20%を占めていた。実験(【II】)腫瘍組織内に正確にfiber tipが刺入されている場合には、周辺正常脳組織傷害は25mw、5〜10分、50mw、25分間照射では全く出現しないが、抗腫瘍効果は非常に小さく25mw,10分間照射で、40〜50%の効果のみであった。(考察)Dyeレーザーによるphotofrin【I】-PDT内照射と電磁波を併用する事により約87%の抗腫瘍効果が得られており、充実性腫瘍の治療法の1つとして期待される方法である。今后、(1)定位的なfiber tipの設置と内照射法に於ける腫瘍内dosimetryの検討。(2)併用治療法の検討。がさらに行われるべきである。
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