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1986 年度 研究成果報告書概要

急性胃粘膜病変形成における脳・腸管ペプチドの関与

研究課題

研究課題/領域番号 60570669
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 脳神経外科学
研究機関名古屋大学

研究代表者

中根 藤七  名大, 医学部, 助手 (80172360)

研究分担者 森瀬 公友  名古屋大学, 医学部, 助手 (50182233)
研究期間 (年度) 1985 – 1986
キーワード急性胃粘膜病変 / 脳・腸管ペプチド / TRH;CRF / 胃粘膜血流
研究概要

胃酸分泌、胃運動機能調節、およびストレス誘発胃粘膜病変形成に種々の神経ペプチドが神経調節因子として関与していることが明らかになってきている。とりわけTRHの中枢性投与による急性胃粘膜病変形成については、我々のものも含めて報告されている。そこで本研究ではTRH中枢性投与の胃粘膜血流動態に及ぼす影響について検討するとともに胃機能調節に関与する諸種神経ペプチドの中枢性投与時における脳内CRFの変動も観察した。
SD雄性ラットを用い、種々ニューロペプチドの髄腔内投与3時間後に断頭屠殺し、視床下部組織のCRF含量をradio immunoassayにより測定した。その結果は、生理食塩水投与の対照群では、1.24±0.06ng/mg protein(Mean±SE)であったのに対し、胃粘膜病変形成に促進的に働くとされているTRH,VIPでは、それぞれ0.83±0.03 0.98±0.06 ng/mg proteinであり、対照群と比べ有意な減少が認められた。さらに寒冷拘束ストレスを加えたラット視床下部CRF含量は、0.91±0.06ng/mg proteinと著明な低下がみられた。ところで、ラット胃粘膜血流は、電解式組織血流計を使用し水素クリアランス法で測定した。生理食塩水投与の対照群では、測定経過を通じ有意な変動を示さなかったのに対し、TRH髄腔内投与群では、投与直後46.9±3.2ml/min/100g(Mean±SE)より、60分後には31.7±4.1ml/min/100gと有意に減少が認められ、90分後には回復傾向を示した。
以上の結果より、TRHの中枢性投与は強度のストレス状態を惹起し、急性胃粘膜病変形成に至ること、さらにその機序としては、すでに述べられているような胃酸分泌、胃運動機能の亢進のみならず、胃粘膜血流低下による局所の乏血も関与している可能性が示唆された。

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公開日: 1988-11-09  

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