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1986 年度 実績報告書

筋原性疾患の筋生検の至適時期および部位の決定について

研究課題

研究課題/領域番号 60570703
研究機関岩手医科大学

研究代表者

阿部 正隆  岩手医大, 医学部, 教授 (70048271)

研究分担者 田澤 睦夫  岩手医科大学, 医学部・整形外科, 非常勤講師
千田 直  岩手医科大学, 医学部・整形外科, 助手 (30155303)
猪又 義男  岩手医科大学, 医学部・整形外科, 講師 (60118213)
キーワード筋原性疾患 / テクネシウム燐酸化合物 / 骨格筋 / マーカイン / アイソザイム
研究概要

(目的)筋ジストロフィー症などのミオパチーにおいて【^(99m)TC】燐酸化合物の骨格筋への異常集積を認める場合がある。集積の時期,機作を探る目的で局所麻酔薬マーカイン筋注による実験的ミオパチー動物をラットを用いて作製し、集積率の経時的変化と、筋肉内及び血清酵素の変化との関係を検討した。
(方法)(1)、ウィスター系ラットの一側大腿四頭筋に0.5%マーカイン0.1mlを、反対側大腿四頭筋に、生理的食塩水0.1mlを筋注し、3,6,12,24時間後および、2,4,7日後に両側大腿四頭筋を採取した。筋肉採取の1時間前に、【^(99m)Tc】-methylene diphosphonate(【^(99m)Tc】-MDP)を静注し、3時間後にウエル型ガンマカウンターを用いて、大腿四頭筋0.1g当りの集積率を求めた。(2).採取した筋肉のホモジネートを作製し、カラムクロマトグラフィー法によりCKアイソザイムパターンの経時的変化を調べた。(3).ラットをマーカイン筋注群と、生理的食塩水筋注群とに分け、血清CK値の経時的変化を調べた。
(結果)【^(99m)Tc】-MDPの集積率は、マーカイン筋注側では、筋注後12,24時間後に著明な増加を認めた。生理的食塩水筋注側では、3,6時間後に軽度の増加を認めたのみであった。筋肉内CKアイソザイムは、マーカイン筋注側では、2,4日後に、MBの増加が認められた。血清CK値はマーカイン筋注群では、3,6,12,24時間後に増加を認めたが、生理的食塩水筋注群では、3時間後に軽度の増加を認めたのみであった。【^(99m)Tc】-MDPの筋肉への集積は、血清CK値の上昇する時期に一致して増加していた。血清CK値の上昇は、筋壊死に至る過程を意味し、筋肉内CKアイソザイムMBの増加がmyoblastの出現、すなわち、筋再生の過程を意味すると考えられる。【^(99m)Tc】-MDPの異常集積は、筋再生ではなく筋壊死の過程に生じ、また、細胞内【Ca^(2+)】濃度の上昇を反映することが示唆される。今後、microautoradiographyと電顕像を対比しての検討を予定している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 阿部正隆 他: 第2回日本整形外科学会基礎学術集会.

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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