研究課題/領域番号 |
60570709
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
井上 和彦 東京女医大, 公私立大学(その他), 助教授 (70095024)
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研究分担者 |
山中 寿 東京女子医大, リウマチ痛風センター, 助手 (10166754)
岩谷 征子 東京女子医大, リウマチ痛風センター, 講師 (50075462)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | 関節鏡 / 関節鏡視下手術 / ヘマトポルフィリン / 慢性関節リウマチ / 滑膜切除術 / アルゴン・ダイ・レーザー |
研究概要 |
(1)ラットにおけるアジュバント関節炎で投与したヘマトポルフィリン(以下HPD)の関節内分布を検討する時期は、炎症が最強であるアジュバント注射後14日目付近が最適であった。又HPDの存在は、滑膜への2〜3Wのアルゴン・ダイレーザー照射時に計測される680wn付近の螢光により確認された。正常およびアジュバント関節炎の滑膜にHPDを投与し、その分布を比較すると、アジュバント関節炎滑膜中のHPDの存在は、投与後24〜48時間で最大となり、それは正常滑膜の約10倍以上であった。 (2)関節鏡滑膜切除で採取したヒト滑膜組織を培養し、これにHPDを注入後アルゴン・ダイレーザを照射すると、培養中の滑膜増殖は抵下又は停止した。 (3)慢性リウマチ患者の静脈内にHPD2mg/kg投与し、48時間後膝関節鏡視下にアルゴン・ダイレーザーを照射した。手術後約6ケ月経過は良好であったが、膝関節水症は再発した。また、HPDは炎症滑膜ばかりでなく全身に存在し日光に露出している皮膚では日焼け(日光熱傷)が問題となる。HPD投与後1週間は日光より隔離し、ビタミンCを多量投与した。1週間後に日光露出を許可したが、日焼けを強く起した為、再工夫の必要性があった。 (4)慢性関節炎患者の膝関節滑膜炎のコントロールにはHPDの全身投与より関節内直接注入の方が関節滑膜への移行も強くなり、日焼けの副作用も軽減可能となる。両膝滑膜炎の片側を関節鏡視下滑膜切除のみ、片側を関節滑膜切除術にHPD投与とアルゴン・ダイレーザー照射を併用して行った。その結果、膝水腫のコントロールは明らかに、併用した手術の方が良かった。 (5)HPDは、アルゴン・ダイレーザー照射により、活性化し、細胞を破壊するが、その過程は十分解明されていない。しかし、フリーラディカルにより破壊される説等があり、病理学的検討では、滑膜細胞の変性を認めた。
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