研究概要 |
1.60年度研究計画への追加として、摘出脳の処理中の一過性hypoxiaの影響につき検討し、一過性hypoxiaによっては【H_2】【O_2】発生測定に影響がないことを確かめた。 2.In vivoでの【H_2】【O_2】発生を測定する原理として、発生した【H_2】【O_2】が内因性catalaseと反応して生成する中間物質Compound【I】がaminotriazoleと不可逆性に反応することを利用したが、この方法で確実に【H_2】【O_2】発生をみているかどうかを検討した。Compound【I】をethanolでdecompositionして内因性catalase抑制効果が無くなるかどうかをみたが、ethanolによりhyperoxiaにより増加した、catalase活性の抑制が消失し、確実に【H_2】【O_2】発生を測定していることを確認した。以上の効果と60年度研究結果より、ラット脳における定常時【H_2】【O_2】濃度を計算すると〔【H_2】【O_2】〕=6.6pm+5.8【ATA^(-1)】×〔【O_2】〕in ATAとなった。 3.ラット脳を5%【O_2】,10%【O_2】のhypoxiaに暴露後、全摘出脳につき【H_2】【O_2】発生を測定したが、10%【O_2】負荷では対照と有意差がなく、5%【O_2】では対照及び10%【O_2】負荷に比較しcatalase活性の抑性は有意に少なかった。これはhypoxia自体では活性酸素の発生増加はないことを示唆する。 4.10%【O_2】,5%【O_2】のhypoxiaを負荷した後、空気,100%【O_2】,3ATA下100%【O_2】のhyperoxiaにより30分間再酸素供給をすると、各酸素分圧間で【H_2】【O_2】発生に有意差がみられなかった。この結果はhypoxic hypoxia負荷後の再酸素供給では、hyperoxiaに暴露後にみられた酸素分圧に比例した活性酸素の発性増加は、hypoxic hypoxiaにより減少することを示唆する。
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