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1986 年度 研究成果報告書概要

ヒト及びニホンザルにおける成人T細胞白血病ウィルスの母児間垂直感染に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 60570768
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 産婦人科学
研究機関千葉大学

研究代表者

稲葉 憲之  千葉大, 医学部, 講師 (70114238)

研究分担者 時田 尚志  千葉県癌センター, 動物部門, 部長
深沢 一雄  千葉大学, 医学部産婦人科, 文部教官助手 (00189911)
TOKITA Hisashi  Chiba Cancer Center
研究期間 (年度) 1985 – 1986
キーワードATLV / HTLV-I / 妊婦キャリアー / 垂直感染 / 夫妻間感染 / STD / Vaccination
研究概要

本研究は成人T細胞白血病ウイルス母児間垂直感染の実態及びその予防方法の解明を目的として発足した。当初の計画ではヒトのみならずニホンザルをも対象としたが、捕獲入手困難なため現在まで専らヒトのみで研究が進められてきた。昭和60年及び61年の2年間に、1)ATLA抗体検査法の比較(PA,ELISAWB法),2)沖縄県,岩手県及び千葉県の婦人,特に妊婦におけるATLVキャリアーの疫学的調査,3)ATLV家族内集積検索による垂直感染並びに夫妻間感染状況の検討,4)婦人科悪性腫瘍患者におけるATLV保有率の検討,等を行ってきたが、その成績の概要は以下の如くである。1)PA法とELISA法におけるATLA抗体陽性一致率は86.4%,陰性一致率は100%,合計88.9%の一致率で、WB法による確認テストではPA法で偽陽性率が高い傾向が認められた。又、PA法力価(【2^n】)の上昇と共にELISA法測定値(Cut-off Index)も増加する傾向にあったが、【2^(4-6)】群で75%(8例中6例)に、【2^(12)】を越える群で30例中2例(6.7%)にELISA法陰性はみられた。2)岩手県田野畑村の年令6才-90才の婦人400人におけるATLA抗体保有率は7.3%で、加令と共に上昇し、80才以上では33.3%(12例中4例)に達した。3)沖縄県石垣島,岩手県(釜石市、大船渡市)及び千葉県(HBsAgキャリアー)における妊婦のATLA抗体保有率はそれぞれ6.9%,5.9%,及び0.8%であった。4)ATLVキャリアー妊婦の出産の出生児9名においてATLA抗体の消長を検索したが、2名の児を除いて臍帯血より陽性を呈し、以後加令と共に漸減し、生後6ケ月まで陽性が維持された。5)ATLA抗体陽性妊婦7家族におけるATLA抗体保有率は59.2%(49例中29例)の高率で、特に母(80.0%),祖母(66.7%),及び同胞(68.4%)で極めて高い陽性率が得られた。6)千葉県における子宮頸癌45症例,卵巣悪性腫瘍30症例の計75症例においてATLA抗体陽性者は一例も検出されず、悪性腫瘍とATLV感染との相関は得られなかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 稲葉憲之 他: 産婦人科・新生児血液. 10. 441-447 (1986)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Inaba, Noriyuki: "ATLV in the field of obstetrics and gynecology - Based on the frequency of ATLA-Ab -" The Journal of Obstetrical , Gynecological & Neonatal Hematology. 10. 441-447 (1986)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1988-11-09  

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