研究概要 |
本研究は臼歯部用コンポジットレジンの接着強さおよび耐久性の客観性のある評価を行なう為のものである。六十一年度は前年度に行なった静的な接着力試験を基に、実際にコンポジットレジンを窩洞に充填し、繰り返しの圧縮荷重を加えることにより接着疲労耐久性試験を行なった。ここでは窩洞形熊による耐久性の差を検討するため、箱型窩洞,皿型窩洞さらにそれぞれにベベルを付与したものの4種類の形態を用意した。充填方法は前年度に得られたデータを基に、重合収縮の影響を少なくするべく2回に分けて充填する方法と通常の1回で充填する方法を用いた。耐久性の評価は色素浸透試験を用い、コンポジットレジンと歯質の界面での着色度を4段階にわけて行なった。得られた結果を要約すると以下の通りである。 1.窩洞の形態にかかわらず、繰り返し荷重により辺縁封鎖性は劣化した。 2.箱型窩洞と皿型窩洞を比較すると、繰り返し荷重による辺縁封鎖性の低下は皿型窩洞の方が少なく良好な耐久性が得られることが明らかになった。 3.ベベルの付与により箱型窩洞,皿型窩洞とも耐久性は向上し、両者の差はベベルなしに比べ比較的少なくなった。 4.2回に分けて充填した場合の辺縁封鎖性は通常の方法に比べ、逆にやや低下した。
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