研究概要 |
咀嚼能率を測定するひとつの方法として、篩上残留粒数測定法がある。これは一定量の試料を咀嚼させ、それを篩い分けし、各篩上に残留した試料の粒数を測定し、これにより咀嚼能率を表示する方法である。 本研究は、この粒数処理を篩分を行なわず、画像処理装置とパーソナル・コンピューターにより代替し測定可能であるかについて基礎的検討を行ったものである。 処理手順は、咀嚼試料をビデオカメラにて撮影し、ビデオ信号に変換する。その信号を画像処理装置(EYESYS FIM-2)にてA/D変換し、65536の画素に分割し、一画素ごとに16階調の濃淡の情報として記憶させる。この情報をパーソナル・コンピューターにとりこみ、各咀嚼粒の面積及び、X軸方向の最大径、Y軸方向の最大径を算出し、演算処理を行ない、粒数測定法による粒数値と比較した。 その結果、現在までに篩分を行なわず、咀嚼したまままの粒子をそのまま投影像上で粒数の測定ができ、粒の区分が可能であることが示された。また粒数測定法との対比も可能であることが示された。 ついで、上記結果に基づき、さらに篩上残留粒数測定法との適合性を検討したが、大篩径による能率表示について、5mesh,8mesh,10meshのうち,8meshによる表示は除外することが、適当と考えらるる知見がえられた。
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