研究概要 |
遺伝子組み換えインターロイキン2(RIL2)を用いた口腔癌の免疫療法の関発を目的としてRIL2の作用の基礎的検討ならびにRIL2活性化口腔癌患者未細血リンパ球(PBL)の新鮮自己腫瘍細胞に対する細胞障害活性につき検討した。 1.RIL2の作用の基礎的検討健常人PBLをRIL2とともに培養することにより細胞数の増加および【^3H】-TdRの取り込み量の増加が観察され、RIL2によるPBLの増殖反応が認められた。この反応にともなって培養後のRIL2活性化PBLは NK感受性の標的細胞であるK562に対する細胞障害活性の憎険ならびにNK抵抗性のそれであるDandi,NAおよびCa9-22に対する細胞障害活性(LAK活性)の出現を示した。 2.RIL2活性化口腔癌患者PBLの自己新鮮腫瘍細胞に対する細胞障害活性.RIL2活性化患者PBLの手術材料より得られた自己新鮮腫瘍細胞に対する細胞障害活性を測定した。その結果1)口腔癌患者10例(扁平上皮癌8例,想表皮癌1例および粘表皮腫1例)に対する細胞障害活性は%Lysisの平均値で17.9%,その範囲は0.7〜54.0%で、10例中6例(60%)の新鮮腫瘍細胞が自己のRIL2活性化PBLに対して感受性を示した。2)PIL2活性化患者PBLはNK抗杭性の自己新鮮腫瘍細胞に対して細胞障害活性を示した。3)この自己新鮮腫瘍細胞に対する障害活性は看期【III】および【IV】の進行癌症例からも誘導された。4)RIL2活性化PBLの細胞障害活性に対する新鮮腫瘍細胞および正常細胞対照として用いた表皮角化細胞の感受性の比較では新鮮腫瘍細胞の方がより強い感受性を示した。今後の臨床応用への展開が期待される。
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