研究課題/領域番号 |
60570925
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科・放射線系歯学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
淵端 孟 阪大, 歯学部, 教授 (70028728)
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研究分担者 |
古川 惣平 大阪大学, 歯学部, 助手 (80173524)
久保 和子 大阪大学, 歯学部, 助手 (60144515)
速水 昭宗 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (30028477)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | 舌癌 / 組織内照射 / 持続的化学療法 / 同時併用 |
研究概要 |
舌癌原発巣に対する治療に際し、局所制御率の向上と転移抑制のため組織内照射時にPeplomycinの持続注射を併用した。対象として舌扁平上皮癌新鮮例39例を用いたが、内8例は試行群で他の31例は対照群である。 試行群に対しては総量10〜15mgのPeplomycinを1日量2〜3mgの割合で組織内照射の期間中持続的に投与した。また組織内照射の開始に先立ちPeplomycin5mgを静注により与えた。放射線量は両群共60Gyを目途とし一部外部照射を先行させたものについては60Gy未満のものが含まれている。照射時間は線源の減衰程度により異なるが48〜144時間であった。 治療終了後最短3カ月を経過した現在、局所制御率は試行群88%、対照群90%と両群間に差を認めず、残存あるいは再発をみた4例(試行群1、対照群3)はいずれも手術により救済され、対照群における事故死の1例を除き全員生存している。所属リンパ節への転移は初診時に頸部リンパ節への転移を認めた試行群の1例を除き、3例(試行群1、対照群2)認められており、いずれも治療後4〜6カ月の間に出現したもので、全例に頸部郭清術が施行されている。また遠隔臓器への転移は現在までのところ1例も認めていない。 治療中ならびに治療後における粘膜反応の推移については両群間に差が見られ、試行群においては黄色偽膜を伴った粘膜炎の完全消退が対照群に比し遅延する傾向がみられている。 今回の研究にあたって、対象を早期例に限定したことと、肺線維症等の副作用の問題から試行群の症例選択を厳密におこなう必要があったため、特に試行群の症例数が少なく、また観察期間も短いため現在までのところ結果について充分な検討をおこない得ず、今後なお長期間にわたる観察結果が得られるまで結論をひかえたい。
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