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1986 年度 実績報告書

中環状テルペノイドの合成:タキシン系化合物の合成研究

研究課題

研究課題/領域番号 60571011
研究機関理化学研究所

研究代表者

大塚 晏央  理研, その他, 研究員 (40087523)

研究分担者 福井 峰夫  理化学研究所, 有機合成化学研究室, 研究員 (70109792)
キーワードタキシン系化合物 / X線結晶構造解析 / 熱力学的安定性 / 分子模型 / 分子力学 / 中環状ケトン合成法 / 2,6,6-トリメチル-5-ホルミル-1-シクロヘキセンカルボン酸エステル
研究概要

前年度 タキシン系化合物の基本母核,8,12,15,15-テトラメチルトリシクロ〔9.3.1.【O^(3,8)】〕ペンタデカ-12-オン-4-オン,を合成したが 3位の立体配置が天然物と異なることがX線結晶構造解析で判明した。この3位の異性化反応は全く進行せず、合成品(B/Cシス体)は天然型B/Cトランス体より高い熱力学的安定性をもつことを示唆している。今年度は望むトランス体を得るためまず、分子模型よりB/Cトランス体を安定化させると予想された8位と5位とのラクトン環形成を検討した。前年度合成した三環性ケトンの合成法に準じ8位にカルボキシル基をもつタキサン母核を合成した。しかし、反応条件を種々検討したが脱炭酸が優先し 目的のラクトンは微量しか得られなかった。
一方、合成品および天然物のX線結晶解析のデータを基にして、種々のタキサン骨格の分子力学計算を行った結果 A環二重結合の位置によりB/Cシス-トランス体の安定性の差が大きく変化することが明らかになった。即ち二重結合が天然物と同じ11,12位間にあるとB/Cトランス体の安定性が増大するが合成品の如く12,13位間にあるとシス体の方が安定である事が示され、実験結果と一致した。合成品のA環二重結合の移動を試みたが期待した反応は起らなかったので、初めから二重結合を天然物と同じ位置にしてタキサン化合物を合成すべく合成ルートを変更することにした。その為に必要なA環部形成を検討し、従来十数行程を要した2,6,6-トリメチル-5-ホルミル-1-シクロヘキセンカルボン酸エステルを、わずか3行程で合成できるルートを開発した。このA環部にB環形成に必要な【C_3】炭素鎖を延長し、中環状ケトン合成法における重要中間体の12員環ラクタムを合成することができた。現在 分子力学計算結果がタキシンの如き複雑な化合物の合成ルートの予知に使えるか否かを検討しつつ、8員環B環、更にC環を形成し、タキシン系化合物を合成すべく検討を重ねている。

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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