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1987 年度 研究成果報告書概要

安定同位体を用いた振動スペクトルによる生体関連カルシウム錯体の配位結合の解析

研究課題

研究課題/領域番号 60571018
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 物理系薬学
研究機関岡山大学

研究代表者

齋藤 寛  岡山大学, 薬学部, 教授 (20025711)

研究期間 (年度) 1985 – 1987
キーワード振動スペクトル / 金属同位体効果 / アミノ酸カルシウム錯体 / カルシウムー配位子結合 / 基準振動 / 核酸塩基カルシウム錯体 / アミノ酸のコンフォメイション
研究概要

アミノ酸及び関連化合物を含むCa錯体は, その生理活性等に関して興味が持たれているが, 紫外・可視スペクトルを有効に利用できないうえ, 振動スペクトルも経験的な解析方法に任意性が強いために, そのCa-配位子の結合に関する研究は少ない. そこで, 本研究では, Ca-配位子結合に関する基礎的な知見を得る目的で, Ca-アミノ酸錯体及びその関連錯体の振動スペクトルを^<40>Ca-^<44>Ca置換による同位体効果等を用いて解析することにした.
まず, 複雑な構造のCa錯体に同位体効果を用いる方法の有効性を検討するため, Caと同様にd電子の遷移を紫外・可視部に持たない亜鉛を取り挙げ, L-ヒスチジン(His)錯体を亜鉛錯体を中心として検討した結果, 金属-配位子伸縮振動の解析に同位体効果が有効であることが分かった. 更に, 錯体中のHisのconformationの差異の振動スペクトルに及ぼす影響をも明らかにした.
次いで, 6配位のCa・GG, Ca・Glu, Ca・Sar及び8配位のCa・Gly, Ca・Aba, Ca・Pheについて, 同位体効果を用いて検討した. その結果, ^<40>Ca-^<44>Ca置換によるシフトは, 340-220cm^<-1>の間のバンドに観測され, 従来200cm^<-1>以下と考えられていたCa-配位子伸縮振動が相当高波数に存在することを明らかにした. また, これらのCa-配位子伸縮振動数は, 6配位錯体では300cm^<-1>前後, 8配位錯体では250cm^<-1>前後と6配位錯体の方が高い. 更に, 基準振動の計算結果によればCa-配位子の結合力は, 伸縮振動数や結合距離から予想される以上に6配位錯体の方が強いことが分かった. また, L-ハイドロキシプロリンを含む構造未知の錯体について検討した結果, 6配位錯体に近いことが分かった. 更に, 核酸塩基を含む7配位Ca錯体は6配位に近いことも明らかにした. 本研究では, Ca-配位子の結合力に関する知見を得ることができた. これらの結果は, 酵素中の金属-蛋白の相互作用等の研究の基礎的なデータとして有益なものであると考えられる.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Junichi Odo;Ryouichi Morita;Yutaka Saito;Yoshimasa Tanaka: J.Pharmco-bio.Dyn.8. s-1 (1985)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Yutaka Saito;Marimi Arima;Junichi Odo;Yoshimasa Tanaka: Chem.Pharm.Bull.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Yutaka Saito;Marumi Arima;Junichi Odo;Yoshimasa Tanaka: Chem. Pharm. Bull.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Junichi Odo, Ryouichi Morita, Yutaka Saito, Yoshimasa Tanaka: "Infrared spectra od Ca^<2+>-aminoacid complexes by using metal isotope technique." J. Pharmaco-bio. Dyn.,. 8. s-1 (1985)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Yutaka saito, Marumi Ariama, Junichi Odo, Yoshimasa Tanaka: "Metal isotope effects on the vibraional spectra of calcium complexes. I. Infrared and Raman spectra of bis(glycylglycinato) calcium chloride" Chem. Pharm. Bull.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Yutak Saito, Marumi Arima, Junichi Odo, Yoshimasa Tanaka: "Metal isotope effects on the vibrational spectra of calcium complexes. II. Infared spectra of calcium-sarcosine comlex." Chem. Pharm. Bull.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1989-03-30  

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