研究課題/領域番号 |
60571055
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
古谷 力 北里大, 薬学部, 教授 (10050345)
|
研究分担者 |
折原 裕 北里大学, 薬学部, 助手 (30137905)
綾部 真一 北里大学, 薬学部, 助手 (40050679)
吉川 孝文 北里大学, 薬学部, 助教授 (80050540)
|
研究期間 (年度) |
1985 – 1986
|
キーワード | 固定化植物細胞 / バイオリアクター / 連続生産 / アルギン酸カルシウムゲル / 透過処理 / DMSO(dimethyl sulfoxide)処理 / 医薬品連続生産 |
研究概要 |
微生物菌体の固定化に用いられている種々の方法を植物細胞の固定化のために検討した結果、アルギン酸カルシウムゲルへの包括法が最適であった。そこで、アルギン酸カルシウムで種々の植物培養細胞を包括固定化後、培養液中で細胞を生存させる固定化生細胞を用いて次の主題について研究した。 (1)植物細胞の固定化法と有用物質生産への利用、(2)細胞内蓄積成分の透過処理による放出と連続生産への利用、(3)バイオリアクターを用いた連続生産システムの開発、以上の3項目である。 結果(1)植物培養細胞5.0【cm^3】を4%アルギン酸ナトリウム溶液に懸濁し、0.1MCa【Cl_2】溶液に滴下して直径3mmのビーズを形成させた。固定化ビーズを集めて、振とう機で培養すると細胞の大きさによりビーズに固定化された細胞数が異なり、また培養液中に細胞があふれ出てくるもの等挙動が様々であった。コーヒー(Coffea arabica)の固定化細胞ではCaffeine,Theobromine等を生産し、そのほとんどを培養液中に放出し、連続生産が可能となった。 (2)細胞内に蓄積された有用物質の連続生産を試みるためにDMSO(dimethyl-sulfoxide)を用いて透過処理を行ない、放出条件を検討した。オタネニンジン(Panax ginseng)、カンゾウ(Glycyrrhiza echinata)を用いて、サポニンとフラボノイド生産に応用したところ、サポニンには余り効果がなかったがフラボノイドはよく放出し、5-10%処理では固定化細胞の方が成育阻害は少なかった。 (3)固定化オウレン(Coptis japonica)細胞をカラム管型バイオリアクターを用いて反応させたところ、連続生産はするものの非常に能率が悪かった。そこで、培養根を直接バイオリアクターに応用して連続生産を試みたところ、非常に効率良く、berberine,coptisine等のアルカロイドを生産し、5週間の長期連続反応に成功した。
|