研究課題/領域番号 |
60580052
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
家政学
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
中島 利誠 お茶大, 家政学部, 教授 (00013152)
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研究分担者 |
駒城 素子 お茶の水女子大学, 家政学部被服学科, 助教授 (10077480)
YANAGISAWA Mami Ochanomizu University
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | 呼吸機能 / 高分子材料 / セルロース / アクリロ酸グラフト共重合 / 吸水 / 通気性 / 膨潤 |
研究概要 |
外界の湿度が低い時には通気性があり、湿度が高くなると通気性を抑え、内部の湿度を一定に保つ能力を持つ布材料の開発を目指して、セルロースにアクリル酸およびその誘導体をグラフト重合させ、その水分特性を検討した結果を箇条書きで列挙する。 1)綿・キュプラを原料、過硫酸カリウム・硝酸セリウムアンモニウムを開始剤として、アクリル酸・アクリル酸メチル・アクリロニトリルをそれぞれグラフト重合させ、反応条件を検討した。アクリル酸メチルグラフト共重合物ならびにアクリロニトリルグラフト共重合物については、更にこれらを加水分解させ、ニトリル基ならびにメチルエステル基をアミド基・カルボキシル基に変換させた。生成物の構造確認は赤外吸収スペクトルならびにカルボキシル基の定量分析により行った。2)グラフト化物の水分特性および熱特性を購入した熱分析用精密流量調節計(島津FC-30)、パーソナルコンピュータ(NEC-PC9801VM2)ならびにアイカ万能粉砕器(柴田科学M-20)を用いて解析した。 3)開始剤に硝酸セリウムアンモニウムを用い、キュプラのアクリル酸メチルグラフト共重合させたものの加水分解物は反応条件により、自重の20倍から60倍の水を吸収した。 4)生成したグラフト化キュプラ布について、顕微鏡観察により吸水に伴う繊維の膨潤と織物組織の空隙閉鎖が観察された。 5)綿・羊毛・ポリエステル布の各々の通気性を乾燥時、湿潤時について検討し、いずれについても、通気抵抗と通気量の間に一次の直線関係のあることを見出し、この手法で、上記高分子材料の呼吸機能を評価できることが判った。
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