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1986 年度 実績報告書

大豆蛋白質による高コレステロール血症の予防効果について

研究課題

研究課題/領域番号 60580069
研究機関大阪市立大学

研究代表者

奥田 豊子  阪市大, 生活科学部, 講師 (90047308)

キーワード分離大豆蛋白質 / コレステロール / 中性コレステロール / 血漿脂質 / 消化吸収率
研究概要

昨年は、白ネズミに分離大豆蛋白質(以下SPIと略す)を投与すると、カゼインに比較し、糞中への脂質やステロールの排泄量が多くなり、血漿中コレステロール濃度を低下させることを確認した。本年度は健康な成人男子について、SPIに高コレステロール血症の予防効果があるかどうか、又そのメカニズムについて検討した。男子学生5人に実験期間を2週間とし、スキムミルク食、次いで日常食をはさんだ後、SPI食を投与した。エネルギーは43Kcal/Kg、蛋白質0.8g/Kg(総蛋白質の1/2はスキムミルク、もしくはSPI、1/3は卵黄、1/6は米に由来)とした。おもに卵黄由来のコレステロール摂取量は、23mg/Kgで通常の食事の約3倍とした。尿と糞は全実験期間通じて採取し、血液は早朝空腹時に採取し、以下の結果を得た。
1.血漿中総コレステロール濃度は、スキムミルク食投与後有意な上昇を示した。卵黄由来のコレステロールを大量摂取しているにもかかわらず、SPI食では、投与前と差がなく、大豆蛋白質を摂取することにより、高コレステロール血症の予防効果を認めた。血漿中HDL-コレステロール、トリグリセリド濃度は、スキムミルク食、SPI食とも変化を示さなかった。
2.SPI食の糞中排泄脂質量は、スキムミルク食よりも高い傾向を示し、中性コレステロール、コレステロール排泄量は、スキムミルク食より有意に高かった。
以上の結果から、大量のコレステロールを摂取する時、同時に分離大豆蛋白質を摂取すると、スキムミルク食に比較し、体外への中性コレステロールの排摂量を増加させ、血漿中コレステロール濃度の上昇を予防していると推測される。このような栄養実験では、食前歴の影響が大きいので、次年度はSPI食を先に投与後、スキムミルク食を投与し、分離大豆蛋白質の、高コレステロール血症を予防する効果について、さらにそのメカニズムについて再度検討する予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 奥田豊子: 日本家政学会第37回大会研究発表要旨集. 8 (1985)

  • [文献書誌] 奥田豊子: 日本家政学会第38回大会研究発表要旨集. 68 (1986)

  • [文献書誌] 奥田豊子: 大阪市立大学 生活科学部 紀要. 34. (1986)

  • [文献書誌] 奥田豊子: 必須アミノ酸研究. 113. (1987)

  • [文献書誌] 奥田豊子: 第41回日本栄養・食糧学会総会講演要旨集. (1987)

  • [文献書誌] 奥田豊子: 日本家政学会第39回大会研究発表要旨集. (1987)

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公開日: 1988-11-10   更新日: 2016-04-21  

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