研究概要 |
1.平均年齢が20.8歳で、柔道経験が5年以上の成人男子6名を対象として(1)体格・体力(2)最大酸素摂取量(V【O_2】Max)および(3)連続打ち込み時の運動強度について測定した。体格・体力については、一般的な方法で測定し、V【O_2】Maxは、トレッドミルを用いて速度漸増負荷法によるオールアウト走で求めた。連続打ち込みの運動強度については、採気はダグラスバッグ法により、【O_2】,【CO_2】濃度の分析は、日本電気三栄製の瞬時ガス分析器を用いて酸素摂取量(V【O_2】)を求めた。心拍数は胸部双極誘導法、呼吸数はサーミスター法とし、テレメーターを用いて連続記録した。(1)体格・体力は、日本人の標準的体格よりもやや優れていた。(2)最大酸素摂取量は、最大値が4.16l/分、最小値が3.19l/分、平均値が3,50l/分となり、日本人の平均値よりも優れていたが、体重当りに換算すると、50.0ml/kg/分となり、日本人の平均値を下まわり、呼吸循環機能が低いことが明らかとなった。(3)連続打ち込み時のV【O_2】は、2.3〜3.0l/分となり、60%〜80%V【O_2】Max、HRは145拍〜172拍/分で75%〜88%HR Maxに相当していた。エネルギー代謝率(RMR)は、13〜22となった。 2.年齢13.3歳から15.3歳までの優秀な中学生男子柔道選手27名について、体格・体力の特徴を検討した。その結果(1)形態面は、一般生徒より優れており、特に体重と周育が優れていた。機能面では、筋力、敏捷性が優れ、パワー及び柔軟性が劣っていた。(2)全国大会出場の柔道選手と比較すると、形態面は、頸囲、胸囲が劣り、機能面では、パワー、柔軟性及び肺機能が低く、敏捷性が優れていた。(3)発達の傾向を見ると、形態面は、14歳及び15歳(中学2、3年生)で、機能面では、15歳(中学3年生)で高くなり、他のスポーツ選手にもみられるような、年間発育量がこの時期に最も高くなる傾向があることが認められた。
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