研究分担者 |
市毛 哲夫 東北大学, 教養部, 助手
川口 鉄二 仙台大学, 体育学部, 講師 (50161295)
日下 裕弘 仙台大学, 体育学部, 助教授 (80177980)
丸山 富雄 仙台大学, 体育学部, 助教授 (70118321)
KITAMURA Jin Sendai College
ICHIGE Tetsuo Tohoku University
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研究概要 |
本研究は、スポーツの大衆化あるいはスポーツにおける社会的差別と深くかかわる「スポーツと社会階層」の問題を扱ったものである。わが国におけるこの研究分野はほとんど未開拓であることから、今回の研究では、スポーツと社会階層の関係を検証するためのひとつのモデルを作成するため、調査対象者を仙台市の公共,民間スポーツ・クラブ会員,体育・スポーツ指導者に限定し、定期的スポーツ参与者の階層構造を明らかにしようとした。調査は質問紙法によって、昭和60年12月から61年1月にかけて実施し、449(48.0%)の有効回収数(率)を得た。 定期的スポーツ参与者の階層構造に関しては、職業,学歴,所得の基本的な社会的地位変数、および生活様式の補助的地位変数を加えた4つの指標を用い、クラスター分析によって階層クラスターを析出した。その結果、定期的スポーツ参与者は、男性6、女性4つの階層クラスターに分類することができた。それぞれの構成比は、男性の場合、上層及び中上層と特徴づけられるクラスター成員50%、若年エリート層20%、中層とみられるクラスター成員30%、女性の場合、上層34%、若年エリート16%、中層50%をあった。これらの結果から、定期的スポーツ参与者は社会の中層以上で、しかもその半数以上の人びとが日本社会の上層あるいは将来上層を形成しうる人びとであることが判った。 また、関連して、アイゼンクの態度理論に準拠したスポーツ社会態度の分析を行った。その結果、2つのスポーツ社会態度(「スポーツ保守主義-進歩主義」,「娯楽指向-勝利指向」)を抽出することができた。この2軸のスポーツ社会態度から判断すると、一般成人の定期的スポーツ参与者の大部分が、「保守・娯楽」型のスポーツ社会態度を所有していることが判った。
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