1.余暇利用の仕方を、山形盆地内および筑波研究学園都市内の中学校でアンケートし、その結果をドイツ・フランスおよび日本の諸都市のものと比較した。「スポーツ・散歩」は1割程度で、都市部での方が農村部においてよりも好まれている。西ヨーロッパでは「森の中の散歩」が最も好まれる余暇利用形態の一つであるのは、都市内および周辺に散策できる森があるからである。日本の神社仏閣の名刹は多くは深山幽谷にあり、そこへの参詣は今日的な意味での森林レクリエーションを兼ねていたと考えられる。 2.1960年代高度経済成長期以降、政府省庁が建設した各種レクリエーション施設を整理した。 3.国有林野を管理する林野庁は、森林の公益性にかんがみ、国有林の中に自然休養林・自然観察教育林・野外スポーツ林・風景林を指定し、国民のレクリエーションに供してきた。その分布図を作成してみると、野外スポーツ林と自然休養林は上信越国境山地を中心に、中央日本に集中している。生活環境保全林もほぼ同じ趣旨で林野庁治山費で整備されてきた。県レベルでも県民の森・いこいの森などの名称レクリエーションの森が整備されている。 4.平地にあっては、筑波研究学園都市のように、都市公園に植樹することによって、森林レクリエーション地を造成しようとしている。 5.集落に近い里山や平地林では、薪炭材供給地としての機能は中止され、山形県温海町では焼畑によって赤カブが栽培されたり、尾花沢のようにスイカが栽培されたりして、農業的に利用されているところもある。
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