研究分担者 |
野嶋 栄一郎 福井大学, 教育学部, 助教授 (20000086)
松木 健一 福井大学, 教育学部, 助教授 (10157282)
寺岡 英男 福井大学, 教育学部, 助教授 (90115303)
茨山 良夫 福井大学, 教育学部, 教授 (60020096)
藤川 一芳 福井大学, 教育学部, 教授 (40020143)
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研究概要 |
福井大学教育学部では, 昭和57年度より教育実習事前学習をカリキュラム化し, 全学生にマイクロティーチングを行うなど, 教師として必要なスキルの学習を施するための種々の試みを行ってきた. 本研究ではこれらのカリキュラムを改善し, 教授スキル育成のためにどのような手だてが必要かを検討し, それに必要なテキストの試作, それを実際に使用する中で, さらに教師として要求されるスキルにはどのようなものがあるかを実践的に抽出し, それらのスキル向上に, われわれの開発したカリキュラムがどのように有効であったかを実証的に明らかにしようとするものである. 教授スキルのカテゴリーとしてはフランダースによってつくられたものや, ヒューとダンカンによって抽出されたものがあるが, これらは教師と生徒のコミュニケーションに重点を置くもので, 授業の内容と結びついた表現のスキル, 授業の雰囲気をもり上げるためのスキル等はふくまれていない. 本研究ではまずスキルを多面的で巨視的な角度からも把握し, 実習生という初心者にもその達成度が評価できるような, 12の項目からなる授業評価表を開発した. マイクロティーチングを改善し.内容とスキルとを結合して20分程度で行うマイクロレッスンを行うことにした. 学生の授業評価表を分析することによって, マイクロレッスンをくりかえしをくりかえし観察することによっても, 教授スキル, 特に授業観察能力の向上がみられること, それは同じテーマについてくりかえし行ったときに安定してあらわれることを数量的に明らかにすることができた. また, 内容とスキルを結合して学習するといっても, どんな内容であってもよいわけではなく, スキル学習に望ましい内容のあることも実証された. 本研究はマイクロティーチングが断片的なスキルの習得だけでなく実践的な意義をもつことを, 実証的かつ数量的に明らかにしたことで, その成果は学会でも高く評価されている.
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