研究分担者 |
輿石 宏 山梨大学, 教育学部附属小学校, 教諭
青柳 達也 山梨大学, 教育学部附属中学校, 教諭
鈴木 憲仁 山梨大学, 教育学部附属中学校, 教諭
堀 哲夫 山梨大学, 教育学部, 助教授 (30145106)
横地 清 山梨大学, 教育学部, 教授 (30100481)
SUZUKI Norihito Lower Secondary School attached to Yamanashi Univ.
AOYAGI Tatsuya Lower Secondary School attached to Yamanashi Univ.
KOSHIISHI Hiroshi Elementary School attached to Yamanashi University
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研究概要 |
本年度は, 本研究の最終年度にあたっており, 昨年度までに得られた知見を更に深めるとともに, 命題論理の推論が複雑にからみあった具体的な理科の問題を二題作成し, 小学生より大学生にいたるまでの調査を実施した. この調査から得られた結果の概要は以下のとうりである. 第一に, 未知の内容に関することであっても経験的に知っていることは, 用語の使い方が厳密になるか否かの相違程度で, 科学的思考そのものの能力にあまり相違がみられないこと. 第二に, 現在, わが国の学校教育において科学的思考の能力を高めるということがあまり行なわれていないのではないかと考えられること, などである. また, 一人ひとりの子どもは, 多様な考え方をもっているが, それらは大まかに類型化できることもわかってきている. また, 本年度はこれまで得られた知見を総合して, 次のような内容をもつ報告書を作成した. その第一は, 科学的思考の発達に関する先行研究の整理, 本研究の目的と方法. 第二は, 科学的思考の概念の考察を行ない, 本研究で使用する概念の明確化. 第三は, 本研究で実施した調査問題の概要(基礎的な命題論理に関するもの5題, 複合的な命題論理2題). 第四は, 核調査問題を実施した結果について. 第五は, その結果の考察. 第六は, 本研究の結果の考察からみた理科教育学への示唆であった. 最後の点については, たとえば, 現行の理科教育が極めて平面的な知識の習得に陥っている傾向が強いのでその点を次のような方法で是正していく必要性があることなどについて述べた. その方法とは, 実験や観察を重視するのはもちろんのことであるが, その場合に, 子ども達が興味をもって考えることができるよう工夫すること. できる限り身近の物品を利用して自分で装置を作成するようにすることなどであった. また, 結果に到達するまでの過程を常にチェックこのと重要性もあわせて強調した.
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