研究概要 |
本年度は、新たにより精度の高い眼球運動分析システムを導入し(経費別途)、システムの試行と基礎データの検討を十分に行った。それと並行していくつかの実験を行い、次のような結果を得た。 1.教科書挿絵のスライドについて、刺激布置と走査パターンとの関係を追跡し、刺激布置の違いによる視点の集中と分散、同一刺激における走査パターンの個人差について明らかにした。 2.視聴覚教材用ビデオについて、提示法の違いによる眼球運動パターンの変化と課題解決効果との関連や、個人の興味・関心度との関連を調べ、効果的提示法に関する基礎資料を得た。 3.個人の観察,推論過程の特徴をとらえるため、テレビ番組のAudio-Visual Test化を試みた。特に、パーソナルコンピューターによってVTRを自在に制御する方法の改善を行ったことで、Audio Visual Testing環境が一段と整備された。 4.観察,推論過程を個別的に測定評価する方法論についてまとめを行った。 5.テレビ番組による学習過程を解明するため、映像,音声,両者の対提示による条件下での眼球運動を比較した。また、提示刺激の特性との関係,眼球運動と記憶再生との関係についても検討中である。これらは来年度に発表する予定である。
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