研究概要 |
1.デジタル式炭酸ガス・水蒸気変動計の野外テストの結果;試作機の野外テストの結果を解析すると、炭酸ガス計の信号に日射が影響していることがわかった。赤外線を分光している干渉フィルターがディスクから少し盛りあがっており、その部分から日射が混入していたので手直しを行う。 2.炭酸ガス・水蒸気変動計の較正結果炭酸ガス計としての性能 水蒸気計としての性能測定スパン(cm) 20 20測定回数 (Hz) 30 30感度 15.1ppm/V 0.92g/【m^3】/V雑音 0.3 ppm(rms) 0.01g/【m^3】(rms)ドリフト 0.16ppm/時 0.01g/【m^3】/時 3.デジタル炭酸ガス・水蒸気変動計の野外観測への応用:試作機を小麦群落,海面,裸地面上での観測に応用した。昭和61年7月の小麦群落上での観測はカナダのウィニベグ市で行った。この観測では群落上での炭酸ガス交換量を確定することとカナダと米国で開発されている炭酸ガス変動計と本試作機との性能を比較することが主要な目的であった。群落上の炭酸ガスは日中下向きに輸送されており、その最大値は約1.3mg【m^(-2)】【S^(-1)】であった。この値は、発育段階が同じである日本の小麦群落上での炭酸ガス輸送量とよく似た値である。カナダの測定値は上の値より約20%小さく、米国の測定値は約20%大きかった。現在、スペクトル解析によって上記の相異の原因を検討中である。 昭和61年10月に新潟県の日本海海面上で、昭和62年1月に裸地面上で炭酸ガス輸送量を測定した。炭酸ガスは、秋季の油面上では0.05mg【m^(-1)】【s^(-1)】程度鉛直下向きに、冬季の裸地面上では同じ程度だけ鉛直上向きに輸送されていることが判明した。
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