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1985 年度 実績報告書

新しい方法による真空紫外波長可変レーザーの試作

研究課題

研究課題/領域番号 60840013
研究機関東京工業大学

研究代表者

田中 郁三  東京工業大学, 理, 教授 (80016005)

キーワードハロゲン分子 / 真空紫外レーザー / 【Cl_2】 / 【F_2】 / イオン対状態
研究概要

本研究の主眼とするところは、光-光二重共鳴法によりハロゲン分子のエネルギーの高いイオン対状態に関する分光学的及び動力学的な詳しい情報を得るとともに、それらの遷移を利用して、真空紫外領域の波長可変レーザーを試作することにある。その実施にあたり、パルス発生器により二台のエキシマーレーザー励起の色素レーザーの遅延時間を調節して、一方の色素レーザーの出力をさらに色素循環器をつけてもう一段増幅し、KPB結晶により220nmまでの波長可変性を持たせた。また、その波長掃引やデーター処理のために、コンピューターを購入し、110nmまでの領域に有効な真空紫外検出器を用いてハロゲン分子のイオン対状態の研究を進めた。
真空紫外波長可変レーザーを試作するときの問題点は、この領域に発光を示す遷移状態間に効率良い反転分布を作ることにある。【Cl_2】,【F_2】などのハロゲン分子のイオン対状態は、エネルギー的にその発光は真空紫外域にあり、反発型ポテンシャルへの遷移を利用すれば、その反転分布を容易につくりだせることができる。本研究においては、二台のエキシマーレーザー励起の色素レーザーを用いて、ハロゲン分子を一方のレーザーで【B^3】【III】(【Ou^+】)の高振動準位へ励起後、真空紫外域の発光を検出しながら他方のレーザーでイオン対状態に励起して、その光-光二重共鳴スペクトルからイオン対状態に関する分光学的な知見を得た。また、その発光寿命および希ガス原子との衝突による緩和過程などレーザー設計に必要なイオン対状態の動力学的な挙動を明らかにした。その研究結果によれば、真空紫外領域の波長可変レーザーを試作するには190nm付近までは、【Cl_2】のイオン対状態からの遷移が最とも有望でありることが分り、共振波長を決めるグレーティングの選択波長に従って発光極大が一致するように、励起波長も変化させればその発振効率が高められることが予想できた。

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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