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1986 年度 実績報告書

けい化物熱電素子の応用

研究課題

研究課題/領域番号 60850008
研究機関育英工業高等専門学校

研究代表者

小島 勉  育英工高専, その他, 助教授 (20072168)

研究分担者 大杉 功  育英工業高等専門学校, 基礎一般、物理, 講師 (70142627)
広山 信朗  育英工業高等専門学校, 電気工学科, 講師 (70072171)
キーワードけい化鉄 / 積層形熱発電素子 / 熱電特性 / 半導体相 / 共晶合金 / X線定量分析 / 焼結体 / 包析反応
研究概要

けい化鉄,Fe【Si_2】はけい化物熱電材料のうちで最も実用化が期待されており、【Fe-(1-2)】Mnx【Si_2】(P形)と【Fe-(1-y)】Coy【Si_2】(n形)を対とする熱発電素子が最も有望視されている。60年度の研究において試料の組成と熱電特性の関係を調べたが、本年、61年度は製造法のうち特に重要な熱処理に関する系統的な実験と実用性を高める試みとして積層形熱発電素子の試作を行なった。
FeSi-【Fe_2】【Si_5】,Mn添加FeSi-【Fe_2】【Si_5】およびCo添加FeSi-【Fe_2】【Si_5】失晶合金の焼結体を準備し、熱処理温度(1073〜1173K),不純物の添加量(x=0〜0.05,y=0〜0.07)に対する半導体相(β相)への変化量をX線解析,比抵抗および熱電能の測定によって調べた。これらの共晶合金は熱処理によってそれぞれ化学量論組成のFe【Si_2】,【Fe-(1-x)】Mnx【Si_2】および【Fe-(1-y)】Coy【Si_2】になる。実験の結果、1125K付近の熱処理ではβ相の生成量が極小値を示し、温度と生成量の関係は不連続的に変化することがX線定量分析によって確認された。また比抵抗値はβ相の生成量に伴って著しく変化し、その変化の傾向はX線分析による定量測定に対応した。β相が焼結体試料から生成される速さは溶解試料より大きく、その生成過程は熱処理温度が1125K以上では、ε+α→βの包析反応であり、1125K以下では主にα→β+Siの分解と従属的なε+Si→βの2段階にわたる反応である。これらの反応は無添加試料において速く、添加物、MnおよびCoはこれらの反応を抑制していることがわかった。β相が最も多く生成される熱処理温度は無添加試料では1123Kであり、MnおよびCo添加試料では添加に依存して低温側に変移している。
【Fe_(0.92)】【Mn_(0.08)】【Si_2】-【Fe_(0.98)】【Co_(0.02)】【Si_2】系熱発電素子(厚さ1mm)を5枚重ねて、低温端で直列接続した積層形熱電素子の特性は800Kの温度差で1.7V-20mWであった。この素子はガス器具における安全装置の電子回路用電源として今後利用が期待される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 小島勉: 育英工業高等専門学校研究紀要. 12号. 15-18 (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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