研究課題
試験研究
研究代表者のグループは、0.8μm帯ストライプ幅変調構造分布帰還型(DFB)レーザを開発する一環として、昭和60年度にリッジ導波路型GaAlAs/GaAsDFBレーザを作製、研究し、この時点で最も低い閾値電流と高い微分量子効率を達成した。これによって短波長帯でも実用的なDFBレーザを得ることが可能であることが示されたが、同時に精密な横モード解析の結果、この導波路構造は液相成長法に対し必ずしも最適な構造ではないことが判明した。昭和61年度には、より液相成長法に適する構造として二重チャネル埋め込みヘテロ構造を採用しGaAlAs/GaAsDFBレーザを世界で初めて試作したところ、室温連続発振の閾値電流が12mAである等の極めて高性能な素子の開発に成功した。こうして得られた素子に、更に種々のストライプ幅変調構造を適用し、理論的予測に合致する完全単一縦モード動作を確認した。研究分担者神谷は、半導体レーザ特性の機能化について主として材料物性的側面から検討した。まず、半導体中のキャリア寿命および再結合係数の位相シフト法による推定を行った。また、双安定半導体レーザの温度特性におよぼすオージェ再結合の効果を調べた。これらを通じて半導体レーザを記述するレート方程式の精密化、材料パラメータの精度の向上への寄与を行った。研究分担者永井は、端面劈開構造によるDFBレーザの完全単一縦モード化について考察した。劈開両端面を有する1.3および1.5μm帯素子の単一縦モード発振確率、単一縦モード動作温度範囲を理論的、実験的に研究し、これを通じて端面劈開構造の効果の解明に寄与した。研究分担者秋葉は、λ/4シフト構造による縦モード完全単一化について検討を行った。詳しい理論的考察、1.5μm帯λ/4シフト構造素子の試作を通じて、設計技法、製作技法を確立し、この構造を有するDFBレーザの実用化へ向けての寄与を行った。
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