研究課題/領域番号 |
60850013
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理計測・光学
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研究機関 | 高エネルギー物理学研究所 |
研究代表者 |
千川 純一 高エネ研, その他, 教授 (20175459)
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研究分担者 |
宮原 諄二 富士写真フィルム(株), 宮台開発センター, 主任研究員 (50303053)
神谷 信夫 理化学研究所, 研究員 (60152865)
雨宮 慶幸 高エネルギー物理学研究所, 放射光実験施設, 助手 (70151131)
佐藤 能雅 高エネルギー物理学研究所, 放射光実験施設, 助教授 (30150014)
松下 正 高エネルギー物理学研究所, 放射光実験施設, 助教授 (40092332)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | X線検出器 / X線フィルム / シンクロトロン放射 / 輝尽性蛍光体 / X線構造解析 / X線小角散乱 / 検出量子効率 / イメージングプレート |
研究概要 |
1.医用X線診断用に開発された超高感度X線検出フィルム(イメージングプレート)は定量性を要するX線回折実験においても有用であることを、フィルムの性能評価及びシンクロトロン放射を用いた応用実験によって明らかにした。 2.前項の結果に基づき、X線回折実験にさらに適したイメージングプレートの読取装置を設計・製作した。その結果、従来のシステムに比して下記の点で性能の優れたシステムを実現した。 (1)X線(0.7A°)に対する検出量子効率が55%から75%に向上した。これはレーザー光によって励起される蛍光を効率良く光電子増倍管に尊くために設計した集光ミラーの性能向上による。 (2)画像サイズ25μm×25μm、及び50μm×50μmの画像読み出しを可能にした。システムの空間分解能は最終的に蛍光体層の厚さで決定することが判明し、今後、薄い蛍光体層のプレートの開発が必要であることを明らかにした。 (3)蛍光強度を12ビットのA/Dで変換して計算機に取り込むことにより、強度測定誤差を2.6%から0.17%に向上させた。 (4)適正露光領域を広げるために、2台の光電子増倍管による蛍光強度の同時読み出しを実現した。その結果、実効適正露光領域が3桁から5桁に広がり、イメージングプレートの潜在能力をフルに引き出した。 (5)任意サイズのプレートからの画像読取りを可能にした。 3.本システムをシンクロトロン放射を利用した収縮筋の小角散乱実験、及びタンパク質のカメラ法によるX線回折実験に応用した。従来測定が不可能であった微弱な回折強度を定量的に測定できるようになり、収縮筋の構造解析が行なえるようになった。
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