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1986 年度 実績報告書

超伝導空洞を用いた簡易な大出力ミリ波パルス源の開発

研究課題

研究課題/領域番号 60850014
研究機関新潟大学

研究代表者

南 一男  新大, 工学部, 教授 (00023135)

研究分担者 美寺 久光  新潟大学, 工学部, 助教授 (60018471)
上岡 泰晴  東洋酸素(株), 川崎事業所低温開発研究所, 所長
粟野 満  東京工科大学, 工学部, 教授 (20016009)
キーワードニオブ空洞 / 自動周波数安定化回路 / 放電管 / 電界研磨
研究概要

超伝導空洞の時定数が【10^(-2)】秒程度と長いことを利用して、マイクロ波エネルギーを貯蔵しこれを短時間に放出する原理にもとづく簡易で汎用のミリ波パルス源を2年間で開発することを目的とした。第1年度である60年度には、必要な装置すなわちニオブ空洞、ミリ波自動周波数安定化回路、FRPクライオスタット等の設計・製作および調整を行った。またマイクロ波取り出し用の小型放電管(半径5mm)は気圧20〜50Torrの気体ヘリウムを封じ切った。ニオブ空洞は内径22mm、長さ111mmで共振周波数設計値24.5GHzに対し【TE_(0,1,17)】円筒モードのオーバーモード空洞となっている。最終年度の61年度には、ニオブ空洞の常温における周波数特性をまず精しく測定した。比較のため同じ形状の真ちゅう空洞を製作し、比較測定を行って空洞のパラメータを算出した。出来上ったニオブ空洞の周波数特性を広範囲に行ったところ、23.77GHz、内部Q値2×【10^3】であった。発振器と空洞が【TE_(0.1)】モードと最も強く結合する配置の入出力アンテナを用いているのでこれが【TE_(0,1,17)】モードであると推定した。内部Q値は常温では低いので、電界研磨法により内面の表面粗さを0.1μm以下に抑えることを行った。電界研磨には濃硫酸と弗酸を85:10とした液体中で、上下フランジおよび円筒部を別々に陽極を設け、60mA/【cm^2】の電流密度で各々約4時間、通電と撹拌をくり返し鏡面仕上げを行った。その後、クリーンルーム内で速やかに組立てて、リークテストおよびベーキングを行ない、内部気圧を3×【10^(-8)】Torrまで排気した。これにより、ニオブ空洞を液体ヘリウムにより温度4.2Kに冷却した場合、Q値が約【10^8】程度に上昇すると考えられる。現在この状態で、放電アンテナに、電圧20KV、電流2000A、時間幅1μsecパルス電力の放電を行なわせ、所期の【10^4】倍のパルス電力利得を得るべく最終試験を行っている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] O.Kobayashi;K.Minami;K.Saeki;M.Awano: Journal of Applied Physics. 57(1). 105-109 (1985)

  • [文献書誌] 佐伯幸四郎,木村智博,久保秀之,南一男,大塚美枝子,粟野満: 応用物理. 54(8). 812-816 (1985)

  • [文献書誌] K.Saeki;H.Kubo;H.Takai;K.Minami: Japanese Jounal of Applied Physics. 25(2). L159-L161 (1986)

  • [文献書誌] Kazuo,Minami: Conference Abstracts,1986 IEEE International Conference on Plasma Science,May 19-21,Saskatoon,Canada. 56-57 (1986)

  • [文献書誌] K.Minami;K.Saeki;H.Kubo;M.Ohtsuka;M.Awano;H.Takai: To be published in Journal of Applied Physics. 58. (1987)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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