研究概要 |
今年度は昨年度、計測装置を完成させた後、部分的な改良と炭素繊維強化複合材に対する応用について、下記のような新たな知見と成果を得た。 1.画像処理法について、(1)画像雑音により切断されたモアレ縞を自動的に接続する,(2)モアレ縞位置の同定で誤差の一因となっていた微少枝を自動的に除去する,(3)一様ひずみ分布計測のための平行直線群による最小2乗近似によりひずみを計算する,(4)昨年度開発したプログラムに対して、アセンブラを使用することによって高速化する,などのソフトウェアの開発を行った。2.画像処理を用いたモアレ法とひずみゲージ法との比較を行い、両者の結果がかなり良く一致し、モアレ法による誤差が400μストレイン以下であることを確認した。3.従来すりガラスに写した像をITVカメラで撮影していたものを平凸レンズで直接ITVカメラに像を取り込むことによって、画像が以前に比較して、よりコントラストが強く,鮮明になった。4.荷重負荷装置とモアレ像撮影装置を一体化して取付けるように改良したので、外部振動に対して、安定した画像が得られるようになった。5.光源として単色光に近いナトリウムランプを使用することによって、比較的コントラストの強い画像が得られるようになった。6.従来炭素繊維強化複合材に対して、モアレ法による測定を可能にするために、アルミニュームが真空蒸着されたポリエステルフィルムに格子を焼付けて試験片に接着していたものを、今回ポリイシド系カプトンを使用することによって、格子40本/mmに対しても良好な焼付が可能となった。7.カプトンに格子を焼付け、試験片に接着する場合に、ボイドがはいらないように真空中で接着を行うようにした。その結果、接着厚さも薄くすることが可能となった。8.炭素繊維強化複合材試験片の設計,製作をボイドモデル,切欠モデル,円孔モデルについて、繊維強化方向を変化させて行った。
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