研究課題/領域番号 |
60850023
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機械工作
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
島 進 京大, 工学部, 助教授 (70026160)
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研究分担者 |
大村 勝 摂南大学, 工学部, 講師 (40100549)
後藤 善弘 福井大学, 工学部, 助教授 (70020211)
佐藤 悌介 徳島大学, 工学部, 教授 (50035804)
真崎 才次 大阪工業大学, 教授 (30079537)
大矢根 守哉 摂南大学, 工学部, 教授 (00025800)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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キーワード | 塑性加工 / トライボロジ / 摩擦試験法 / 摩擦による温度上昇 / 摩擦における寸法効果 / セラミック工具 / 耐摩耗性 / 耐焼付き性 |
研究概要 |
塑性加工において、潤滑剤と工具材料の選択は加工の成否を支配する。適切な選択をするために新しい試験法を開発し、摩擦係数・焼付き・工具摩耗量に関する研究を行った。特に本研究では(1)温度効果、(2)工具と素材の接触面積の寸法効果について実験・解析を行った。また将来の塑性加工用工具として注目される各種セラミック材料について、その摩擦特性、耐摩耗特性、耐焼付き性を引抜き試験を行って調査した。 温度効果については、工具と素材との接触面積の寸法によって、そこで発生する摩擦による工具表面での温度上昇が変化することを、実験的にも、解析的にも明らかにすることができた。この解析の中には、潤滑剤の粘性係数の温度、圧力依存性、工具および素材の熱伝導率を含み、さらに工具と素材が接触する昇面に導入される潤滑油膜厚さと摩擦係数との関係を導入することによって、加工条件を与えれば摩擦係数の予測を可能とするものである。このように温度効果・寸法効果については、ほぼ初期の目標を達成し得た。実機によるプロセスのシミュレーションについては、実機の熱的な条件設定が非常に困難で、これが今後の課題となろう。また、解析の中で導入した油膜厚さと摩擦係数の関係も現在のところ第一次近似的なものであり、これを実際に近づけていくのも今後に残された課題である。 セラミック工具に関しては、初期に目的とした塑性加工用工具としての可能性をかなり詳しく調べることができた。その結果、炭化けい素Sicが摩擦係数,耐摩耗性,耐焼付き性いずれの面からも最も優れており、次が窒化けい素【S_(i3)】【N_4】,ジルコニアZr【O_2】であった。本研究では、引抜き工具としての可能性について主に調査したが、今後更に、種々の加工の工具としての可能性を調べていく必要があろう。
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