研究概要 |
61年度の研究計画の内容は、「工具表面状態観察装置の開発」と「工具表面状態観察自動化方式の考案」の二つである。 まず前者については、工具(単刃)を特定した下での開発実験を終了し、装置を開発した。 1.まず、画像入力については、光源としてハロゲンランプを4本用い、4方向からの照明を適切に組み合わせることにより、工具の正常部分と損傷部分のコントラストが強く現れた工具画像を得ることに成功した。ここで、工具への焦点はA.F.し、マクロレンズで拡大した像をCCDカメラで入力している。 2.入力画像に対してコントラスト増大→平滑下→微分処理→2値化→領域分割→太線化を行なう一連の前処理技術を確立することによって、入力画像から切刃と損傷部分だけを描出することに成功した。 3.次いで、切刃と損傷部分についての判別を行ない、ノーズ部分の認識を行なった後、損傷部分については特微量である面積等の計算を行なうことにより、最小0.12mm巾までの損傷を検知することを可能にした。これにより、オンライン画像処理方式による,摩耗、チッピングの種類の特定までが可能になった。 後者についても、同じく工具を特定した下での開発実験を終了し、装置をキャノン株式会社に発注し、設定した。 今後の課題は、MC等でよく見られるフライス工具等の多刃工具について照明問題をどのように解決し、画像入力までの時間とまた工具損傷特定までのコンピュータ計算時間を最小とするかということである。
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