研究分担者 |
椎名 孝次 日立製作所, 機械研究所, 企画員
坂口 晴一郎 日立製作所, 機械研究所, 主任研究員
平碆 国男 九州大学, 工学部, 助手 (40037958)
大田 治彦 九州大学, 工学部, 助教授 (50150503)
SAKAGUCHI Seiichiro Hitachi, Ltd, Mech. Eng. Res. Lab. Chief Researcher
SHIINA Kohji Hitachi, Ltd, Mech. Eng. Res. Lab. Research Officer
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研究概要 |
1.熱水中に低沸点媒体を注入する液中噴流形式の直接接触蒸発過程は、ノズル出口近傍での気泡の合体挙動に影響される。低沸点媒体の注入流量と温度、水とのあいだの温度差、ノズル出口レイノズル数が増すと沸騰形態は不安定→安定→蒸気柱へと変化する。 2.沸騰形態が不安定から安定を経て蒸気柱へと遷移するとともに蒸発性能は改善され、蒸気柱形態において最高の性能を示す。 3.蒸気柱形態の発生限界は主として低沸点媒体のノズル出口における過熱度とノズル出口レイノズル数に支配される。低沸点媒体がサブクール液の場合でも気泡核を注入すれば沸騰開始を促し、蒸気柱形態への移行を早める。 4.直接接触蒸発熱交換器の伝熱性能の評価指標としては体積基準の熱伝達係数が適している。熱伝達係数に及ぼす温度,流量,ノズル径等の操作パラメータの影響を検討した。 5.要因分析の結果、蒸発媒体の注入流量と、水と媒体とのあいだの温度差が支配的な影響因子であることが分った。そして流量が増加するほど、また温度差が減少するほど体積基準の熱伝達係数は増加する。 6.温度差の影響に関してモデル実験を行った結果、気液界面に形成される低沸点媒体の液膜の広がり状況が温度差によって変化し、そのために蒸発性能に差が生じることが判明した。 7.直接接触蒸発熱交換器の性能評価と最適設計に必要な体積基準の熱伝達係数の実験整理式を作成した。整理式を用いて各種影響因子の感度解析を行った結果、一般に水温と低沸点媒体流量の変化に対する蒸発性能の感度が高く、熱交換器の幾何学的スケールの変化に対する感度は低いことが判明した。8.以上のユニットモジュールの結果よりスケールアップモジュールの廃熱回収への適用は可能と判断される。
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