研究概要 |
高電磁界環境下におけるディジタル計測の測定精度を向上させるためには、高電圧試験の際に実験室内に放射される高周波の電界および磁界を把握する必要がある。この目的のために、ほぼ100M【H_2】の周波数帯域を有する電界および磁界センサを試作し、インパルス電圧発生時ならびにさい断時に放射される電磁界を測定し、また、同様の周波数帯域の分圧器,分流器,変流器によって、発生回路の電圧、電流を同時に測定し、さらに、発生装置中の放電ギャップからの放電光とあわせて検討を行った。その結果、これらの時間的関係を明らかにするとともに、実験室内の多点における電磁界の測定結果から電磁界の距離による減衰特性を明らかにし、解析結果と比較検討を行った。 自然雷に関する測定については、日本海沿岸における冬季雷を対象として、電磁界のディジタル計測を実施し、雷放電の際の強い電磁界環境下において信頼できるデータを得るためのセンサや測定結果をマイクロコンピュータに転送するための伝送系、さらに、コンピュータによる情報処理を行うためのシステムの特性改善を行った結果、信頼できるデータを取得できることを明らかにした。このシステムによって観測データの収集を行い、雷放電に伴う電磁界の特性についての解析を行った。 高電磁界環境下において、過渡的に変化する量をアナログ計測によって測定した結果とディジタル計測結果とを比較検討することによって、ディジタル計測に伴う測定精度の低下について評価を行うとともに、その結果と理論的に解析した結果とを比較検討し、測定波形の相違によるディジタル計測の誤差についても研究を進めた。 高電磁界環境下における各種計測の測定誤差を軽減するためには、オプトエレクトロニクス技術の適用がきわめて有望と考えられるが、その効果についても検討を行った。
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