1.固定子直流励磁ブラシレス三相同期発電機の開発研究 昭和60年度設備備品として励磁機なしブラシレス2極三相同期発電機を特別発注で製作すると共に、60年度設備備品として購入したアナライジングレコーダを用いて、発電機波形の観測および特性の詳細な検討を行った。その結果、2極三相主巻線とは別に施した4極直流励磁巻線には回転子界磁電流の交流分によって交流電圧が誘導するが、励磁巻線に並列にダイオードを接続することにより、固定子直流制御電流のリプルが軽減され励磁効果が増大することが確認された。 2.有限要素法による固定子直流励磁ブラシレス三相同期発電機の磁界解析 発電機各部電流の瞬時値を実測、その値を用いて各回転角に対する内部の磁束分布図を描き、最適構造の研究を行った。本発電機は固定子に主巻線とは極数の異なる直流励磁巻線を施し、回転子は各極界磁巻線にダイオードを接続してブラシレス構造とするもので、有限要素法による解析の結果、励磁巻線による静止磁界は回転子界磁電流の交流分によってほとんど打消され、通常の同期発電機と同様な磁束分布図を示すことが明確にされ、発電機の最適構造に対する有力な設計指針を得ることができた。 3.固定子直流励磁ブラシレス単相同期発電機の開発研究 上記の試作2極三相発電機を用い、2極単相発電機として発電特性の詳細な検討を実験により行った。種々の回転子界磁回路方式についての特性比較を行った結果、界磁回路の適切な選定により、負荷電流に比例した直巻効果が加わり、固定子直流電流一定でも自動的に平複巻特性となり、出力波形も良好であることが確認され、その有用性が明らかになった。現在、コンデンサ励磁ブラシレス自励形単相同期発電機およびインバータによる無効電力調整かご形誘導発電機について、特性の基礎実験に取り掛かっており、61年度も継続して行う。
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