研究課題/領域番号 |
60850060
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
末松 安晴 東京工大, 工学部, 教授 (40016316)
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研究分担者 |
池上 徹彦 NTT, 厚木通信研究所機能光デバイス部, 統括 (10315674)
浅田 雅洋 東京工業大学, 工学部, 助手 (30167887)
荒井 滋久 東京工業大学, 工学部, 講師 (30151137)
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キーワード | 動的単一モードレーザ / 分布反射型レーザ / 集積レーザ / BIG-DBRレーザ / マストランスポート / 埋め込みヘテロ構造 / 低しきい値電流動作化 / 直接変調 |
研究概要 |
本研究は、Gb/s以上の高速変調動作時にも安定な単一モード動作が得られる動的単一モードレーザの高性能化を目的としており、本年度は、静特性の向上、極低しきい値化の為の電流狭窄の強化、高速変調動作時の動作特性の解明について重点的に研究を行い、以下に述べる成果を得た。 前年度発明したバンドル集積導波路分布反射型(BIG-DBR)レーザの活性領域を50μmまで短縮化した素子を作製した結果、22mAの低しきい値室温連続動作を達成した。また、その静特性において、分布反射型レーザとしては記録的な113度という広範囲な温度範囲に渡る連続した単一モード動作、しきい値の1・2倍において35dBという大きな副モード抑圧比を達成した。 分布反射型レーザで極低しきい値電流動作を達成するために、活性領域の短縮化、活性領域幅の狭小化と同時に電流狭窄の強化を行うことが重要であるということを明らかにした。このため、新たに分布反射型レーザの分布反射領域に電流ブロック構造導入した改良型BIG-DBRレーザを提案し、その構造において電流狭窄が有効に行われていることを確認した。つぎに、活性領域の狭小化の為にマストランスポート埋め込みヘテロ構造(MT-BH)を提案すると共に、これを用いたファブリペロー型(F-P)レーザを作製し、発振しきい値電流9.6mAの室温連続動作,7mAの室温パルス動作という、p-InP基板を用いた1.5μm波長埋め込みレーザとしては、記録的な極低しきい値電流動作を達成した。 動的単一モードレーザの高速変調動作時におけるスペクトルのふるまいを理論的に明らかにし、実際に数GHzの高速直接変調動作時のBIG-DBRレーザの副モード抑圧比と実時間における波長シフトの測定を行い理論解析との一致を確認した。
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