研究概要 |
本研究は3年間の継続課題であり, 次の成果を得た. (1)両方向性電力変換装置の回路方式に対する検討:太陽電池とエネルギー蓄積用の蓄電池との間に両方向性の昇圧形直流電力変換装置を配置し, これに太陽電池の最適動作点の追尾のためのインピーダンス変換および蓄電池の充放電の機能を持たせる回路方式を確立した. (2)データ処理システムの構築:太陽電池電源システムからのデータの自動計測, 処理のためのシステムを構築した. (3)太陽電池の最適動作点を追尾するための制御回路の確立:モニター用太陽電池の短絡電流を用いることにより, 光の強度に対応して主太陽電池の最適動作点を追尾するための制御方式および制御回路を確立した. また, 制御回路に温度補償回路を付加した. (4)太陽電池電源システムの電力効率に関する検討:両方向性電力変換装置を用いた並列電力処理方式の太陽電池電源システムの電力効率と従来の単方向性電力変換装置を用いた直列電力処理方式のシステムの電力効率の比較を行った. この結果, 新しいシステムの電力効率が従来のものに較べて優れていることが, 理論的, 実験的に確かめられた. (5)電力変換器の制御回路のデイタル化に関する検討:太陽電池電源システムに用いられる電力変換器の信頼性を高めるという立場から高速スイッチング(500kHz)が可能なディジタルP-I-D制御回路の確立を計った. (6)両方向性pwmインバータとその制御に関する検討:太陽電池と商用交流電力系統とを凍結するためのエネルギー蓄積方式による両方向性正弦波pwmインバータを開発した. (7)電力変換器の補語回路に関する検討:太陽電池電源システムに用いる電力変換器の過電流制限回路を開発した.
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