研究概要 |
1.アモルファス磁心センサ回路方式の確立 センサ用直線状アモルファス微小磁心を安定に動作させるセンサ回路として、2磁心マルチバイブレータブリッジ回路を構成し、感度,応答性,安定性,信頼性,価格・性能比等の総合評価を行った結果、センサ回路として最適であるとの結論を得た。本回路は直流電圧源で動作し、コンピュータとの整合性が良く、ハイブリッドIC化にも適した回路である。 2.零磁歪アモルファスマイクロ磁心マルチ形センサの開発 (1)心機図センサ:心臓弁膜症,先天性心疾患,動脈硬化症などの診断に有効な心機図(拍動図,心音図,脈波図)を安定にしかも高感度に検出するセンサを構成し、心機図検出実験を行った。すなわち、人体胸壁または血管部位に微小円板磁石を接着し、磁石振動に伴う磁力線密度変化を放射状アモルファス磁心マルチバイブレータブリッジで検出する方式の非接触形センサを構造した結果、0.02μmの微小変位まで検出出来、従来不可能とされていた胸壁全体の拍動図や頸動脈の切痕などが容易に検出できた。 (2)ロータリエンコーダおよびねじれ角検出形トルクセンサ:多極着磁リングマグネットの各極に微小アモルファス磁心を対向させた放射状磁心マルチバイブレータ形磁石磁界センサを構成し、0.002°の解像度をもつ高精度回転角度センサを構成した。この角度センサにサンプル値計測法を適用した数万パルスのロータリエンコーダおよび角度センサを一対シャフトに固定したねじれ角検出形の新しい高感度シャフトトルクセンサを構成した。 3.高磁歪アモルファスワイヤによるパルス発生素子の開発: アモルファス磁歪ワイヤを線引加工した後張力下加熱処理を施す方法を考案し、反転磁区形成限界磁界【H^*】が約1Oeのほぼ完全な大バルクハウゼン効果を示す優れたパルス発生素子を開発し、機構を解析した。
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