研究分担者 |
小櫻 義隆 株式会社横河橋梁製作所, 設計部・橋梁一課
長谷川 〓一 株式会社横河橋梁製作所, 常務取締役
池田 清宏 長岡技術科学大学, 工学部・建設系, 助教授 (50168126)
藤野 和建 長岡技術科学大学, 工学部・計画経営系, 助教授 (60011144)
高田 孝次 長岡技術科学大学, 工学部・機械系, 教授 (80126474)
HASEGAWA Shu-ichi Managing Director of Yokogawa Bridge Works, Ltd.
KOZAKURA Yoshitaka Engineer of Yokagawa Bridge Works, Ltd.
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研究概要 |
部材計測システムとして, 当初開発した三次元測定器は, CCDカメラを登載した自動測角儀をガイドフレームで, 移動させることにより, 基線長を得る方式であった. この測定器は下記に示すような欠点があり, 実用性に欠ける面があった. (1) 20m近い大型構造物を高精度で測定する場合は, 基線長を長くする必要があり, ガイドフレームの製作コストが高くなる. (2) 角度を測定するためのロータリーエンコーダ, リニアスケール等の装置が必要であり, これもまた測定器の製作コストを押上げる原因となる. (3) 精度を確保するために, 回転軸受けとして特に精密な装置が要求される. 本研究ではこれ等の問題を解決する方策として測定システムに下記のような改良を加えることを試みた. (1) 測定にはカメラを2台以上用い, どのターゲットも少なくとも2台のカメラの視野に入るようにこれらを設置することとした. (2) 基線長となる各カメラ間の距離はスティールテープを用いて予め測定して置く. (3) カメラは設置点に固定し, 移動ならびに回転を一切行なわない. 且つ, 所要の測定精度を確保するために, CCDカメラに関して測定誤差を生じると考えられる要因を洗い出し, 系統的な誤差はカメラ毎に予め作られた内部評定用の測定場で精密に測定してこれ等を測定し, 測定値からその影響を除去できるような計算システムを用意した. このようにして改良を加えたシステムを実橋に2例適用してその実用性を確かめた. その結果, 鋼構造部材は短時間で充分な精度の測定が可能であり, この測定システムによって得られたデータを用いて仮組立のシミュレーションを行なえば, 仮組検査を従来より〓かに低コストで行なうことが可能であり, さらに, 得られる完成形状は, 実際に組み立てるより所要の形状に近い状態を実現できることを実証した. このことは得られたデータを架設現場に伝えられれば, より精度の高い完成形状が得られることを示唆している.
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