1.目的 最近寒冷地のアスファルト舗装に多発し、重要な研究課題とされている温度応力破壊に関し、アスファルト混合物の温度応力破壊現象を明らかにし、発生温度予測法を見出そうとするものである。 2.研究の方法並びに実験 本研究にあっては、たくさんの種類のアスファルトを用いた各種のアスファルト混合物について、棒状の供試体を用い両端を固定して長さを一定に保持したまま周囲温度を低下させて、試料に温度応力を発生させ、時間の経過にともなって変化する荷重を測定することによって、アスファルト混合物の性状を測定し、さらに破壊温度を求めた。 周囲温度を変化させるに当たっては、自然に発生すると予測されるいろいろな温度変化状態での研究を行った。 さらに繰返し温度変化を与えた場合、供試体に切り欠きをいれた場合など、種々の状態での実験をも加えた。 3.本年度の研究成果 本年度の研究成果を以下に列記する。 (1)アスファルト混合物供試体に規則正しい温度応力を発生させることが可能である。 (2)温度を10℃から低下させた時、温度・応力関係曲線においてある温度までは応力緩和現象がみられ、それ以下の温度になればほぼ直線関係が見られた。 (3)切り欠きをいれた供試体の場合においても、温度・応力関係曲線はいれない場合とまったく同じ曲線形状となるが、破壊荷重が小さく、また破壊温度が高くなることが明らかになった。これは興味ある結果とすることができる。 (4)繰返し温度変化を与えた場合疲労破壊現象が見られた。
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