研究分担者 |
三浦 清一 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (00091504)
龍岡 文夫 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (27011565)
松岡 元 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (90027277)
陶野 郁雄 国立公害研究所, 水質土壌環境部, 室長 (00016479)
小田 匡寛 埼玉大学, 工学部, 助教授 (90008855)
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研究概要 |
原位置砂地盤の力学挙動の合理的な予測法の確立をめざして, 一連の研究を進めた. 本研究で得られた研究成果は, 以下のように要約される. 1.任意の応力系および堆積条件にある地盤材料の変形挙動と構成式 (1)ねじり単純せん断試験による砂の変形・強度特性は, 砂の構造異方性と中間主応力の相対的大きさを適切に考慮すれば, 主応力方向が固定されている平面ひずみ圧縮試験のそれとほとんど一致することを見出した. (2)地盤のもつ構成粒子の卓越配列や層状構造などの異方構造特性を, ファブリックテンソルにより表示し, それをDrucker-Prager型の降伏関数に基づいて一般化することにより, 数学的に厳密な形の粒状体の数理塑性モデルを提案することができた. (3)一般応力増分と一般ひずみ増分を直接結び付けた一般座標表示の土の構成式の誘導に成功した. さらに, 提案構成式は, 主応力方向の複数回転を含む一般応力経路下での粒状体の変形挙動を適切に説明できることを示した. 2.原位置砂地盤の液状化強度の推定 堆積環境, 堆積年代, 地下水位などから原位置の砂質地盤の液状化危険度を推定できる新しい液状化簡易推定法を提案した. この方法は, ボーリング調査結果を必要としない点に特色がある. 3.砂の非排水繰返し三軸試験法 飽和砂の非排水繰返し三軸試験法の基準案を作成した. この試験法に従って, 全国一斉非排水繰返し三軸試験を, 48の研究機関の参加を得て実施した. 結果によれば, 試験結果の分散を小さくするためには供試体寸法や圧密方法, 繰返し応力振幅の対称性など, いくつかの統一すべき重要事項のあることがわかった. ここで得た成果は, 非排水繰返し三軸試験法の標準化に貢献するところ大であると思われる.
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