研究概要 |
本年度は、動的体積変化自動検出装置を従来の三主応力制御型三軸実験機にとりつけ、非排水条件下で静的、および、動的せん断試験を行った。また、改良型三主応力セルを用いた同様の試験も行った。応力やひずみの検出に際しては、マイクロコンピュータを接続し、AD変換されたデータをフロッピーディスクに直接ファイルし、それらのデータより応力〜ひずみ関係、有効応力経路、間隙水圧とくり返し回数の関係等を自動的に図化するシステムを確立した。 動的体積変化自動検出装置は応力振幅の周波数が1Hz程度になると周波数に依存した応答をするため、実験はすべて、その影響がほぼ認められない0.1Hzで行った。 用いた試料は豊浦砂であり、供試体をセットした時の相対密度は約15%前後である。セットされた供試体は、等方圧縮後、背圧1.5kgf/【cm^2】、平均主応力2.5kgf/【cm^2】の状態で、静的試験では正八面体応力面で全応力経路が放射状をなすせん断試験を、また、動的試験では正八面体応力面上で静水圧軸を通る直線上の両振りくり返しせん断試験を3動の応力経路で行った。そして、静的試験より、試料の堆積面(水平面)と平行な方向には、鉛直方向に比べると圧縮されやすく、膨張しにくいことが、また、動的試験より、応力振動の大きさが大きい場合(τoct/σm=0.28)と小さい場合(τoct/σm=0.07)の液状化強度は構造異方性にもとづく静的強度特性と対応するが、その間の場合(τoct/σm=0.10,0.14,0.21)には対応しないことがわかった(ここに、σm:正八面体垂直応力、τoct:正八面体せん断応力)。 これらの事実はしらすの動的試験でもすでに得られており、今後は実験の精度をさらに向上させ、砂質土の液状化機構を解明していきたいと考えている。
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