研究分担者 |
三浦 康夫 (株)大林組, 本店・工務部, 工務課長
杉本 靖彦 (株)竹中工務店, 梅田センタービル作業所, 工事管理者
俣野 善治 (財)日本建築総合試験所, 構造物試験室, 室長
小松 勇二郎 京都大学, 工学部, 教務職員 (60109022)
藤井 栄 京都大学, 工学部, 助手 (70144334)
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研究概要 |
研究実施計画に基づいて試作した引抜き試験装置を更に改良し、現場応用実験を中心に広く実験的研究を実施した結果、下記の知見・成果を得た。 1.構造体コンクリート強度の管理に応用するには、ボルト埋込み有効深さを25mmとして鉄筋配置にかかわらず、試験位置を設定できるサイズの試験装置が望ましい。ハンドリングの容易さの観点からも、同じ結論に達した。 2.同一品質とみなし得るコンクリートに対して行った、試験法固有のばらつきはφ10モールドシリンダー試験,φ10コアシリンダー試験,引抜き試験について、それぞれ変動係数が4%,6%,12%であった。したがってφ10コア1個と同程度の信頼性を得るためには、引抜き試験4個を要す。 3.36階建SRC構造の各層について、任意の3本の柱について、1柱当たり6本の引抜き試験を行った結果、模擬部材についてのコア試験結果と良い相関を得た。また、現場水中養生強度を構造体コンクリート強度とする現行の方法により、合理的で信頼できる指標であることを実証した。 4.PC梁の脱型材令の確認,プレストレス導入可能材令の確認のために実施現場で応用し、極めて有効な方法であることを実証した。 5.有効埋込み深さ50mmの大型試験と比較して、有効深さ25mmの標準試験は6%程度の強度上昇をするという寸法効果についての知見を得た。 6.600kgf/【cm^2】程度の高強度コンクリート施工実験時に引抜き試験を実施した結果によると、コア強度に比して、従来得られた換算係数では、かなり低強度に推定する結果を得た。これは、大断面による内部温度上昇と表面の冷却および乾燥の影響と推定され、この点について今後、検討を要す。 7.後付けタイプの試験方法について、エポキシ樹脂を利用する方法により、300kgf/【cm^3】程度以下の場合には成果が得られたが、更に検討を要する。
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