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1985 年度 実績報告書

珪酸塩ガラスの脱ハリに関する応用鉱物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 60850115
研究機関東京大学

研究代表者

武内 寿久祢  東京大学, 工, 教授 (30010739)

キーワードガラスの脱ハリ / 硼珪酸ガラス / 高レベル放射性廃棄物 / 方沸石 / ポルサイト
研究概要

目的:高レベル放射性廃棄物の地層処分に際して用いられる可能性のある硼珪酸ガラス固化体の安定性を檢討するため、SrまたはCsを含む比較的単純な組成の硼珪酸ガラスを、200℃,15atm.の熱水条件下におき、ガラスの脱ハリ、結晶化生成物の相関係、脱ハリ過程におけるSrまたはCsの挙動、について実驗的研究をおこなった。
実驗:実驗に供した硼珪酸ガラスは、Si【O_2】:50wt.%,【B_2】【O_3】:16.7%,【Al_2】【O_3】:5.6%,【Na_2】O:11.1%,Sro(または【Cs_2】OかSrO+【Cs_2】O):16.7%からなり、内径3mmの金カプセルに水と共に封入して、オートクレーブ中にて必要日数にわたり加熱した。生成物は偏光顕微鏡、粉末回線回折計、走査型電子顕微鏡、EPMAにて解析をおこなった。
実驗結果:(1)Srのみを含む硼珪酸ガラスでは、4日間の加熱では結晶質物質が生成しなかったが、7日間の加熱によりガラス中に含Sr方沸石が生成した。(2)56日以上の加熱では、ガラス中に含Sr方沸石のほかに石英が生成した。(3)Cs+Srを含むガラスでは、22日間の加熱ではガラスの脱ハリは認められなかった。(4)28日間加熱のSr-Csガラスには、Sr・Cs方沸石と硼酸ストロンチウム水和物が生成した。(5)Csのみを含むガラスでは、30日以上加熱のガラスにポルサイト(Cs方沸石)と硼酸セシウムが生成した。
考察:(1)Srのみを含む硼珪酸ガラスは、本熱水条件下では約1週間で脱ハリが始まる。(2)【C_3】を含むガラスは、脱ハリが始まるまでに約3週間を要する。(3)脱ハリの初期には方沸石相が生成する。(4)脱ハリが進むと方沸石相のほかに、石英,硼酸塩が生成する。(5)生成物の結晶度が極めて小さいので、方沸石相中のSrとCsの比については未詳である。(6)方沸石相の結晶粒度の大きなものを合成する必要がある。(7)硼珪酸ガラスの脱ハリに対するK,Caの影響を累討する必要がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 日本鉱業会昭和61年度春季研究発表講演会要旨集. (1986)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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