研究概要 |
本研究課題は、大きなBH積をもつ新永久磁石材料として脚光を浴びている希土類-鉄-ホウ素三元系化合物の結晶磁気異方性の結晶場解析を行い、その結果に基いて擬二元系・擬三元系について結晶磁気異方性を理論設計し、また試作を行うものである。第一年度の研究実績は下記の通りである。 (1)東大の大型計算機の通信端末として使用出きるNEC,PC-9800型のコンピューターを購入して、【RE_2】【Fe_(14)】Bの結晶磁気異方性解析プログラムを開発した。 (2)前記プログラムを用いて、RE=Ce,Pr,Nd,Dy,Er,Ybについて結晶磁気異方性の解析を行った。いずれの化合物についても結晶磁気異方性は4f電子と結晶電場や交換磁場との相互作用で基本的には説明できることがわかった。その一致は【Er_2】【Fe_(14)】Bで良いが、Ndについては125Kでの容易磁化軸の回転を説明できないでいる。 (3)高圧技術を応用して、【La_2】【Fe_(14)】Bと【Yb_2】【Fe_(14)】Bの作製に成功しその格子定数やキュリー温度を決定した。 (4)実験的に容易磁化軸回転の挙動を明らかにするために、比熱及び音速の測定を行っている。【Nd_2】【Fe_(14)】Bの125Kにおけるスピン方向の[001]からの30°の回転は1次の相転移と考えられる。
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