研究概要 |
1983年に住友特殊金属(株)により発表された希土類-鉄-ボロニ系合金は【Nd_2】【Fe_(14)】Bを代表として、保磁力・エネルギー積、11KOe,47MGoeの非常に大きな材料として注目されており、その原因は【RE_2】【Fe_(14)】Bの結晶構造に起因するREイオンの不飽和4f電子殻による結晶磁気異方性であるとされている。 本研究では、【Yb_2】【Fe_(14)】Bに注目し、その合成を試みた。【Yb_2】【Fe_(14)】BはYbの価数摂動のため常圧下では作成できなかった。そこで15Kbar〜20Kbarの高圧合成を試みた。高圧下ではYbは+3価となり、【Yb_2】【Fe_(14)】B化合物相をつくる事がわかった。得られたデーターとしては、1.キュリー点温度 545K,2.格子定数 a軸 8.740【A!゜】,C軸 11.910【A!゜】である。 また、結晶場計算解析を計算機を使用して行い、【Yb_2】【Fe_(14)】Bについて、計算により磁気異方性解析をした。実験で得られた格子定数を用いた結果、Ybの+3価イオンは、Erの+3価イオンと同じような副格子としての性質を示す事がわかった。これは、【Yb_2】【Fe_(14)】BのF(τ)[=Km(τ)]の傾向が【Er_2】【Fe_(14)】Bの△F(τ)によく似ており、【Yb_2】【Fe_(14)】Bについても【Er_2】【Fe_(14)】Bと同様の軸の回転現象が予想され、低温域で【Yb_2】【Fe_(14)】Bは容易磁化軸[100]をとることが予想される。また異方性エネルギー【K_1】・Λ【in^2】Q型の考虜により、ΔFの温度依存性から容易磁化軸の回転を説明しうると考えられる。
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