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1986 年度 実績報告書

固体電解質を用いた常温作動型ガスセンサーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 60850151
研究機関九州大学

研究代表者

山添 昇  九大, 国立大学(その他), 教授 (40037817)

研究分担者 五百蔵 弘典  (株)フィカ゛ロリサーチ, 代表取締役
桑田 茂樹  新居浜高専, 工業化学科, 講師 (60110160)
寺岡 靖剛  九州大学, 総合理工, 助手 (70163904)
三浦 則雄  九州大学, 総合理工, 助教授 (70128099)
キーワードガスセンサー / 固体電解質 / アンチモン酸 / フッ化ランタン / 水素 / 一酸化炭素 / 酸素
研究概要

本研究は、プロトン導電体やフッ素イオン導電体の固体電解質を用いた新しいタイプの常温作動型ガスセンサーの開発・実用化を目指したものであり、昨年度の検討でプロトン導電体水素および一酸化炭素センサー、フッ化物イオン導電体酸素センサーともに室温においても比較的良好な作動をするセンサーが得られた。本年度はそれらについて応答性、選択性などのセンサー性能の向上、長期安定性の確認、最適素子構造などについて検討し、以下の知見を得た。
1.プロトン導電体ガスセンサー:固体電解質としてアンチモン酸、極知極材料として白金黒を用いた素子は、電位あるいは電流を検出信号とすることにより、室温において空気中の微量の【H_2】やCOの検知が可能である。特に後者の電流検出型センサーは、短絡電流値がガス濃度に直接比例するため高精度のガス検知が可能で、さらにプロパンやメタンには全く応答せず選択性も良好で、経時安定性にも優れている。ただし本センサーは短絡電流値が被検ガス中の湿度に依存するという難点を持っていたが、外側の白金電極を短絡した状態でプロトン導電体内部に生じる電位差を銀電極で測定する方式をとれば、雰囲気の湿度によらず、高精度なガス検知が可能であることを見出した。
2.フッ化物イオン導電体酸素センサー:フッ化ランタン単結晶を固体電解質とし、白金黒を検知極、SnSn【F_2】を参照極とするセンサーは室温においても酸素の検知が可能で、さらにセンサー素子を水蒸気気流中、150℃で処理した後応答を繰り返すことにより90%応答時間が2分まで短縮されることを見出し、これはフッ化ランタン表面が水酸化物化されるためであることを明らかにした。さらにフッ化ランタンのスパッタ薄膜を用いれば水蒸気処理により室温で約30秒で応答すること、水中溶存酸素に対しても、約1分の応答時間で検知が可能であることを見出した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Noboru Yamazoe: Proceedings of the 2nd International Meeting on Chemical Sensors. 289-292 (1986)

  • [文献書誌] Norio Miura: Fundamentals and Applications of Chemical Sensors,ACS. 203-214 (1986)

  • [文献書誌] Noboru Yamazoe: Proceedings of the 6th Sensor Symposium. 97-100 (1986)

  • [文献書誌] Norio Miura: Chemistry Letters. 1987. 319-322 (1987)

  • [文献書誌] 桑田茂樹: 日本化学会誌.

  • [文献書誌] Norio Miura: Journal of Electrochemical Society.

  • [文献書誌] Noboru Yamazoe: Sensors and Actuators.

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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