研究概要 |
1.パラジウム錯体を用いる高選択的な触媒反応の開発 β-ケト酸アリルエステルにホルマリンを反応させ、アセチル化の後、室温でパラジウム触媒を反応させることにより、α-メチレンケトンを合成する方法を開発した。さらにこの反応を発展させて、α-メチレンラクトンも合成できるようになった。 パラジウム触媒を用いる炭酸プロパルギルの反応を検討し、一酸化炭素との反応で、2,3-ジエンカルボン酸エステルを合成した。 またギ酸との反応では1,2-ジエンが生成することが分った。インオキシドとβ-ケトエステルの反応でフラン環を合成する新方法を開発した。 2.生理活性物質の合成 さきに開発したβ-ケト酸アリルからα,β-不飽和ケトンを合成する方法をステロイドの合成に応用した。とくにベンゾシクロブタンの分子内環化反応によるエステロンの合成方法に用いる出発原料を容易に合成できる道を拓き、光学活性のエステロンの合成に成功した。
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