研究分担者 |
堀尾 正靭 東京農工大学, 工学部, 助教授 (40109301)
津留 義通 東京ガス(株), 技術研究所, 室長
藤岡 祐一 三菱重工(株), 技術本部, 研究職
小島 紀徳 東京大学, 工学部, 講師 (10150286)
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研究概要 |
1.循環流動層燃焼装置のプロセス解析 新しい石炭の燃焼技術として期待されている循環流動層燃焼技術について公表されたデータを基に定量的客観的に解析を行い、新たになしたプロセス設計とあわせて今後の課題を明らかにした。通常用いられる高速流動層の概念との差異および循環層燃焼技術の持つ性能の裏付けとなる技術的背景を(1)炉床負荷,(2)炉内粒子濃度,(3)粒子循環技術,(4)熱回収技術,(5)負荷追従,(6)サイクロン設計,(7)炭素利用効率,(8)脱硫,(9)低【NO_X】化,(10)スケールアップの各項について解析した。 2.高速流動層コールドモデル試験 高さ3.6m,内径5cmのアクリル製コールドモデルを用い、粒子循環速度制御,圧変動,層内圧力分布について測定した。ループシール内径を15cmにしたとき、ループシール吹込みガスを増したとき、ある値以上で粒子循環量が急激に増大し、ライザー内の粒子ホールドアップが周期的に変動する現象が観察された。径5cmの二塔流動層で開口部3cmのループシールを用い、ライザーに二次空気吹込みノズルを設けて実験を行った。二次空気吹込み位置以上では粒子濃度が低くなった。粒子循環速度、粒子濃度をそれぞれ蔵本ら、加藤らの相関式に基づいてシミュレーションし、実験値と比較し良い一致をみた。 3.流動層燃焼ベンチスケール装置における石炭の燃焼 内径76mm,層高145mmのステンレス製ベンチスケールモデルを用いる石炭の熱焼および二段燃焼条件下での脱硫脱硝実験を行った。フリーボード下部の還元性雰囲気領域において脱硫脱硝反応が起っており、二次空気吹込み高さが高い方が脱硝のみならず、脱硫にも好結果をもたらすことを明らかにした。フリーボード下部での硫黄バランスより、還元性雰囲気下では【SO_2】,【H_2】Sの他にも硫黄化合物が存在することが示唆された。
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