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1985 年度 実績報告書

魚粉中の胃潰瘍誘起物質ジゼロシンの特異的微量定量法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 60860009
研究機関東京大学

研究代表者

内藤 博  東京大学, 農, 教授 (80034445)

キーワードジゼロシン / 筋胃潰瘍 / ヒスタミン / 魚粉 / 胃酸分泌リジン / アスコルビン酸
研究概要

新生理活性物質ジゼロシンは、近年申請者らによって発見された化合物で、ヒナに対してはヒスタミン様の作用を発現し、その活性は、ヒスタミンの約1000倍という強い活性を有している。この化合物は、飼料タンパク質の加熱加工時に、タンパク質中のリジンと遊離ヒスチジンが反応して生成するが、その作用の強力さゆえに、しばしばヒナに胃潰瘍を発症せしめ、産業上大きな被害をもたらしている。本研究では、この化合物の特異的かつ迅速な微量定量法を開発して、飼料中の本化合物の量を敏速に知り、それによって産業上の事故を未然に防ぐとともに、ジゼロシン生成を最少に抑えた魚粉製造法を確立しようと計画した。成果は次の通りである。
(1) イオン交換クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィーを併用して、魚粉中のジゼロシンを夾雑物と分離し、0-フタルアルデヒド誘導体として再び逆相クロマトグラフィーで定量するという方法を確立した。
(2)この方法を適用して、約50種の魚粉のジゼロシン含量を定量したところ、ジゼロシン含量とヒナの筋胃潰瘍発症誘起活性の間によい相関が認められた。また、定量した魚粉の中には、200mg/kgのジゼロシンを含むものが数点認められ、魚粉の安全な使用上、憂慮すべきことが明らかになった。
(3)魚粉の乾燥を、リジン、アスコルビン酸の存在下で行うことにより、低ジゼロシン含量の魚粉を製造しうることが証明された。将来の魚粉製造の改良に大きな貢献をすることが期待される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Analytical Biochemistry. 151-1. (1985)

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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