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1985 年度 実績報告書

感光性セルロース誘導体の製造に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 60860016
研究機関東京大学

研究代表者

石津 敦  東京大学, 農, 助教授 (40014922)

キーワード感光性物質 / セルロース誘導体 / ケイ皮酸エステル
研究概要

ケイ皮酸クロリドによるセルロースのエステル化を、次の2種の方法で行った。すなわち、1)ピリジンで膨潤させたのち、50℃でエステル化する(不均一法)。2)ジメチルアセトアミドと塩化リチウムの系に溶解させ、各種の4級アミンを触媒として60℃でエステル化する(均一法)。何れの方法によっても三置換体が得られたが、均一法の方が遥かに反応が早く進むこと、均一法でpkaの低いアミン(たとえばジメチルアニリン)を用い、かつ反応時間を限れば、6位の選択的エステル化が可能であることが見出された。メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)などのセルロース誘導体に対しては、上記の2つの方法の他に相間移動法も適用した。すなわち、試料の苛性ソーダ水溶液に、ケイ皮酸クロリドのメチルエチルケトン溶液を加え、4級アンモニウム塩を触媒として3℃で反応を行なった。MC、HECは均一法、不均一法の何れによっても完全にエステル化された。しかし相間移動法では、成績が良かったHECの場合でも、水酸基の80%までしかエステル化が進まなかった。CMCのエステル化は、どの方法によっても不完全であった。
光照射によるケイ皮酸エステルの二重結合の消失を、赤外線吸収スペクトルで追跡した。MCのエステルの場合、その消失は極めてゆっくりと進み、しかもレベルオフしてしまうのに対して、HECのエステルでは、ゆっくりとではあるが着実に減少した。セルロースのエステルでは、始めは早く、その後はゆっくりと減少した。セルロースのエステルの光照射物をアルカリでケン化し、生成物をエチルエステルとしてガスクロマトグラフィで分析した。β-トルキシン酸が主生成物であったことから、置換基であるケイ皮酸同志はhead to headで二量体化したことが明らかになった。

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公開日: 1988-11-09   更新日: 2016-04-21  

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