1.高圧静電場における木質パーティクルの配向トルクの発生原理を明らかにするため、木質パーティクルの含水率、寸法などを変化させ、また化学的処理による極性変化を与えて、実験的にトルクの変化傾向を測定した。この結果トルクは主として木材成分の有するOH基などの配向分極によることを明らかにした。 2.フォーミングマットの下面に接して電極を配置した場合の木質ファイバーおよびパーティクルの配向の程度が、マットの積層位置(厚さ)によって如何に変化するかを実験的に明らかにした。 3.パーティクル・マットの反転重畳システムに関する種々の提案を行ない、それぞれの利点と欠点を実験的に検討した結果、直径1.5mの回転ドラムに重錘緊張型反転ベルトを組み合わせる方法が最も合理的であることを結論づけた。 4.反転ベルトからパーティクルマット上に、反転されたマットを移す部分のパーティクルの噛み込みを防止する方法を種々検討した結果、空気噴射ノズルを夛数有するパイプ状装置を配設することにより、反転された側のマットを空気圧上に支持し搬送し他のマットに重畳する方法が最も適当であることを見出した。 5.これらの基礎的知見を基に、高圧静電場を応用した配向性マットフォーメーション装置を設計し、太平製作所製の既製のシステムに付設した形で試作装置を完成した。 6.本装置の構造は容量1【m^3】のホッパと幅1mのフリフォーマー、フラッファーからなるパーティクルの撒布システムと高電圧電極ボックスを裏面に有するテフロンネット製フォーミングベルト及び厚さ規制のためのシェーブオフロールなどを主体とする配向マットフォミングシステム、及び上記反転重畳システムの3システムより成る。これにより幅750mmの配向性木質マットの連続形成の可能性を確認した。
|